【カーリング】北京2022女子:笑顔で難局を乗り切り、日本カーリング史上初の銀メダル

文: マンティー・チダ
写真: Getty Images

笑顔でつなぎ、史上初の快挙達成。カーリング女子日本代表が決勝に勝ち上がり、銀メダルを獲得した。決して順調ではなかった銀メダルへの道。しかし彼女たちはどんなにつらい状況でも笑顔でコミュニケーションを取りながら、難局を乗り切った。

デンマーク戦で起死回生のダブルテイクアウト

WCF(世界カーリング連盟)世界ランキング1位スウェーデンとの初戦で黒星を喫したものの、2戦目のカナダ戦で北京2022初勝利を収めた日本。3戦目のデンマーク戦では終始追う展開となるが、第10エンドで流れは一気に変わった。

それまで好ショットを連発していたスキップのマドレーヌ・デュポンが味方のストーンを出すミスをしたところから、日本に大量得点のチャンスが訪れる。これをスキップの藤澤五月が起死回生のダブルテイクアウトを見事に決め、一気に3点を獲得。8-7と大逆転で2勝1敗の白星先行とする。

4戦目は序盤から日本がアイスの読みに苦しみ、ROCのペースで進んでいく。しかしサードの吉田知那美が2度のテイクアウトで形成を逆転すると、藤澤もガードをかわしながら正確なドローショットをハウス付近に入れ、3点を獲得するビッグエンドで同点に持ち込む。最終の第10エンドでは吉田知那美、藤澤のテイクアウトで有利に試合を進めて10-5とし、カナダ戦から3連勝とした。

日本は中華人民共和国にも勝利を収めて4連勝とするも、大韓民国とイギリスに敗れて4勝3敗。アメリカ合衆国に勝利を収めたものの、1次リーグ最終戦は首位のスイスに黒星。しかし順位を争っていた韓国がスウェーデンに敗れたことで、日本は2大会連続の準決勝進出を果たした。

スイスに準決勝で金星…堂々の銀メダル獲得

準決勝は、前日の1次リーグ最終戦で敗れていたスイスが相手。互いに1点ずつを獲得する堅実な戦いから、先に抜け出したのは日本だった。第5エンド、吉田知那美の正確なドローショットでハウス付近を固めると、藤澤がダブルテイクアウトを連続で決めて、一気に4点獲得とする。

第7エンドでスイスに3点を返されて1点差まで迫られたものの、第9エンドで藤澤が再びダブルテイクアウトでピンチから脱出。結局、日本が8-6で逃げ切り、日本カーリング史上初となるオリンピックでの決勝進出を果たした。

決勝の相手は1次リーグで完敗した英国。平昌2018では銅メダルをかけて対戦しており、その時は日本が勝利を収めた。両チームは世界最終予選の末、北京2022出場の切符を獲得。厳しい状況を勝ち上がってきたチーム同士が、金メダル獲得をかけて決勝で顔を合わせた。

序盤からペースを握ったのは英国だった。第1エンド、有利とされる後攻とした英国にガードストーンを複数置かれる。日本はそこを打開しようとしたが、フリーズ(止まっているストーンにピッタリくっつけるショット)を狙った藤澤のラストショットが横に並んだことから、英国にストーンを弾かれ2点を献上する。

その後、日本はなんとか喰らいついていくものの、第7エンドに4点を献上、勝負の行方は、ほぼ決定する。第9エンドでも2点を失った日本は、負けを認めるコンシードを宣言。日本の北京2022は英国に敗れたものの、史上初の銀メダル獲得で幕を閉じた。

リザーブ石崎琴美の献身的なサポート、笑顔がピンチを救う

日本の戦いぶりは見事だった。リードの吉田夕梨花は高確率でドローショットを決め、セカンドの鈴木夕湖は力強いショットでストーンを弾き出す。この2人は「クレイジースイーパーズ」と呼ばれるぐらい強烈なブラシさばきで、吉田知那美や藤澤のビッグショットをお膳立て。サードの吉田知那美はスキップの藤澤をサポートしながら、チームのムードメーカーを担い、スキップの藤澤は、勝負どころの正確なショットでチームを牽引した。

アイス上で戦っていたのはこの4人だけではない。リザーブの石崎琴美も、である。12年ぶり3度目となったオリンピックは、チームの精神的な支柱を担っていた。試合前夜には会場でストーンを投げながら、氷との状況を把握するなど裏方に徹していた。日本の躍進は、石崎が役目を果たしたからと言っても過言ではない。

そして、たとえ厳しい局面になっても日本は前向きな声掛けからチームのピンチを乗り越えていく。カーリングの醍醐味を教えてくれた価値ある銀メダルだった。

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