フィリピン・日本・インドネシアの3カ国共催で行われているFIBAバスケットボールワールドカップ2023は8月29日に大会5日目を迎え、グループEに属する男子5人制バスケットボール日本代表・AKATSUKI JAPANは、1次ラウンドの最終戦でオーストラリア代表と対戦した。
最新の世界ランキングでは36位の日本に対し、Tokyo2020で初めてオリンピック銅メダルを獲得しているオーストラリアは3位と、ワールドカップ優勝候補のひとつだ。また、どちらも今大会のこれまでの通算成績が同じ1勝1敗であったことから、この試合に勝った方が2次ラウンド進出を決められるという大一番となった。
日本のスターティング5は、前2試合に続いて、渡邊雄太、馬場雄大、ジョシュ・ホーキンソンの3名と、今大会初めて河村勇輝と比江島慎の2人が名を連ねた。
試合開始の第1クォーター(Q)は、オーストラリアの先制ゴールから始まるも、比江島が日本の最初の得点を決めて会場を沸かせるなど、世界ランク格上のチームを相手に1桁台のスコア差(17−25)で終える。
しかし、第2Qに入ると、NBAプレーヤーを多数擁するオーストラリアの猛攻を止められず、また日本のシュートも精度を欠きじりじりとその差を広げられてしまう。キャプテンの富樫勇樹が、今大会で初となるゴールを決めるも、35−57と大きく引き離されて前半を終える。
後半スタートの第3Qでは、第2戦のフィンランド戦に続いて、ホーキンソンがリバウンドを奪うなどゴール下で躍動。また、終盤に富樫と渡邊が3ポイントシュートを沈めて、このQだけでオーストラリアのスコアを上回り、日本に流れを引き寄せながら最後の10分へ向かう。
その最終の第4Qで、日本は粘りのプレーで13点差にまでオーストラリアに詰め寄るも、ファウルでフリースローを与えるなど、ふたたび南半球の強豪チームにリードを許し、あえなくホイッスル。最終的に89−109の20点差で日本はオーストラリアに完敗し、史上初となるワールドカップ2次ラウンド進出とはならなかった。
試合後のコメント
渡邊「最後の20分間で皆さんに証明できた」
「(オーストラリアの)勝ちに来ているメンバー相手に対して、 (日本が)後半あれだけやれたっていうのは、間違いなく自分たちの自信に繋がった。ただ、こういうチームを本気で倒したいってなった時に、(後半の)20分じゃ絶対足りないです。とにかく40分間、 (今日の)後半のようなバスケットをやりきらないと、勝つためには足りない」
「後半、自分たちのペースに対して、相手もすごい疲れていました。それは本当に自分たちが今までやってきたことの証明だと思う。自分たちのバスケットがこういう(世界ランキング上位の)チームを相手にも通用するっていうのは、最後の20分間で皆さんに証明できたと思うので、残り2試合、絶対勝たなきゃいけない試合が続くので、40分間やりきれるかどうかだと思います」
トム・ホーバスHC「少しずつ目標には近づいている」
「本当にこのチームは自信があります。この試合も勝つと思っていた、全員が。今日の後半は(日本のスコアが)54点ですよね。オフェンスはみんな、アグレッシブに仕事をやっている」
「自信はある。相手も自信がある。ステップバイステップ。少しずつ目標には近づいている。だから、今日は悔しい。だけど、終わってないです。もっとこのチームと一緒にプレーしたいです」
1次ラウンド最終戦の成績をもって、日本が属するグループEの2次ラウンド進出チームは、1位のドイツ(3勝0敗)と2位のオーストラリア(2勝1敗)となり、通算成績1勝2敗で3位となった日本は、4位のフィンランド(0勝3敗)とともに31日から始まる順位決定戦に回ることとなった。
順位決定戦の対戦カードは、30日に行われるグループFの1次ラウンド最終戦の結果により決定する。
■FIBAバスケットボールワールドカップ2023
▼大会日程
- 8月25日-8月30日 1次ラウンド
- 8月31日-9月3日 2次ラウンド、17-32位決定戦
- 9月5日 準々決勝
- 9月6日 準々決勝
- 9月7日 5-8位決定戦
- 9月8日 準決勝
- 9月9日 5-6位決定戦、7-8位決定戦
- 9月10日 決勝
▼日本の試合日程
1次ラウンド(グループC)
- 8月25日21:10 vs.ドイツ(81−63)
- 8月27日21:10 vs.フィンランド(98−88)
- 8月29日20:10 vs.オーストラリア(89−109)
▼FIBAバスケットボールワールドカップ2023 日本代表
※所属は2023年8月21日現在
※ポジション=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター