野球・ソフトボールは、5年後のロサンゼルス2028オリンピック(LA28)の追加競技としてLA28組織委員会が提案した5競技のひとつ。10月にインドのムンバイで開催されるIOC総会での承認を待っている段階で、追加競技の詳しい種目プログラムと出場枠数は今後最終決定される。
野球は、バルセロナ1992から北京2008までの各オリンピックで実施された後、2021年の東京2020で復活した。
以前は、ロサンゼルス1984とソウル1988で公開競技として実施されるまで、多くの大会で単発の野球の試合が開催されていた。
ソフトボールは、アトランタ1996で女子のみの競技としてオリンピックデビューを果たした。野球と同様、ロンドン2012以降は行われず、東京大会で復活した。
野球は、最初の4大会のうち3大会でキューバ代表が優勝し、シドニー2000ではアメリカ合衆国代表が決勝でキューバ代表を破った。北京2008の決勝戦では大韓民国代表がキューバを下し、東京2020では開催国の日本代表が優勝した。
ソフトボールは、アメリカ合衆国代表が最初の3大会で優勝。シドニー2000の準優勝チームである日本代表は、東京2020での金メダルも含め、決勝でアメリカ合衆国代表に勝利し、最後の2大会を制した。
野球・ソフトボールとはどんな競技? そのルールは?
ソフトボールは野球から直接派生した競技であるため、両競技にはいくつかの共通点がある。
どちらの場合も、守備と攻撃があり、1回の表と裏で攻守が入れ替わる。1回の表でAチームが打席に立ち、Bチームが守備につく。また、裏ではBチームが打席に立ち、Aチームが守備につく。
ピッチャーが打者に向かってボールを投げ(野球では上手投げ、ソフトボールでは下手投げ)、打者はそれをスタンドに向かって伸びる「V」字型のゾーンに打ち込む。その回で3人の打者がアウトになると、攻守が交代する。打者は、三振、捕球、塁間での挟殺、走塁時にアウトになる。
試合終了時には、同点で延長戦にならない限り、得点の多いチームの勝ちとなる。
野球が硬球で行われるのに対し、ソフトボールは軟球を使う。また、野球の塁間27mに対し、ソフトボールは18mと狭い。
野球ではピッチャーは盛り上がったマウンドに立つが、ソフトボールではピッチャーは平らな円形のエリアから投球する。
野球とソフトボールの試合時間は?
野球とソフトボールのもうひとつの違いは、試合時間にある。
野球の試合は9回であるのに対し、ソフトボールの試合は7回で構成されている。時間的には、野球の試合は2時間半から3時間かかることが多い。ソフトボールの試合は通常2時間以内で終わる。
野球・ソフトボールは1チーム何人?
以前は、野球・ソフトボールチームの選手数は9人で、ピッチャーも打席に立つことになっていた。
近年は、投手に代わって指名打者が打席に立つようになり、10人制になった。指名打者は投手とともにフィールドに立つことはない。
野球・ソフトボールの起源は?
野球は1749年に英サリー州で初めてプレーされ、その後1770年代に大西洋を渡ってアメリカ合衆国に伝わったと言われている。
このスポーツで最初に組織されたプロリーグ、全米プロ野球選手協会が設立されたのは1875年で、アメリカ合衆国の国民的スポーツとして広く認知されている。
1887年、米シカゴで記者のジョージ・ハンコックが、アメリカンフットボールの試合中にイェール大学とハーバード大学のサポーターがボクシンググローブをホウキで打つのを目撃し、競技のルールを作成した。
彼は、選手が冬でも練習できるようにという考えから、これを「インドアベースボール」と呼んだが、すぐに屋外に移動し、野球に必要な広さよりも狭い競技場で行われるようになった。これが1926年にソフトボールと改名され、特に子どもや女性の間で人気を博した。