日本初開催となったバドミントンの世界選手権の女子ダブルスで銅メダルを獲得した永原和可那&松本麻佑ペア。ナガマツの愛称で知られるふたりは、過去4度の世界選手権に出場し、2019年、2020年の大会で優勝、昨年は3位、そして先日行われた自身4度目の大会で再び銅メダルを獲得し、4大会連続でメダルを獲得した。
休む間もなく大阪で次の戦い、ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2022(9月4日まで)が始まっており、初日となった8月30日の初戦で中西貴映&岩永鈴ペアと対戦し、ストレートで勝利をおさめた。
チェン&ジャという壁
大阪開催の今回のジャパンオープンにおいて、順当に進めば、第6シードのナガマツペアは準決勝でチェン・チンチェン(陳清晨)&ジャ・イーファン(賈一凡/中華人民共和国)と対戦することになるだろう。第1シードのこのペアはナガマツペアが世界選手権の準決勝で敗れた選手である。
世界選手権2連覇中のチェン&ジャ組とナガマツ組の過去の対戦を振り返ってみると、昨年の世界選手権やワールドツアーファイナルなど、主要国際大会における9度の対戦のうち、ナガマツペアの勝利数は2勝(インドネシアオープン2018、インドネシアマスターズ2019)にとどまっている。
先日の世界選手権の準決勝直後に、永原は「中国ペアは穴がなくて、攻撃もレシーブも両方固かったです。自分たちもこれくらいのプレーを目指したいと、今日試合をしていて思いました」とコメントし、彼らの強さを冷静に受け止める。
だが、対峙しなければならない高い壁はナガマツペアにとってモチベーションにもなる。
松本はジャパンオープン初日となった30日、「上がいるっていうことに、今はすごくワクワクしているので、そこをこえられるように挑んでいけたらと思ってます」と気持ちを新たにした。
トーナメントの反対側では、第5シードの志田千陽(160cm)&松山奈未(167cm)が初戦で姿を消したが、ナガマツペアが東京2020オリンピックの準々決勝で敗れたキム・ソヨン&コ・ヒヨン(大韓民国)が勝ち上がってくることが予想される。
キーとなるのはコミュニケーション
北海道出身のふたりはともに身長が170cm台で、永原が170cm、松本が177cmという長身ペア。女子ダブルスのトップで活躍する福島由紀(164cm)&廣田彩花(170cm)や志田(160cm)&松山(167cm)、女子シングルスの山口茜(156cm)と比べても身長が高い。
ペアを組むようになったのは、互いに高校を卒業し、秋田県の北都銀行に入社した2014年のことで、以来、国内外の大会で実績を残してきた。
ペア結成5年目となった2018年の世界選手権では、当初出場権がなかったものの、他国選手の欠場により出場が決まると、トーナメントを一気に駆け上がって優勝。同種目で日本勢41年ぶりの優勝となり、翌年の世界選手権で2連覇を達成した。
そんなふたりにとってお互いはどんな存在なのか?
昨年末に行われたOlympics.comのインタビューでナガマツペアは性格のバランスを分析。まず永原が「お互いの性格は真逆」とした上で、「試合で緊張しがちなのは私の方で、松本は精神的に強いので助けられています」。
一方、松本は「(永原は)一度自分のモードにしっかり入り込めば、そこから抜けることはない人なので、前半の集中力を私が補って、後半の集中力を永原が補ってという感じのパターンが結構ある」と話す。
「お互いの長所や短所をしっかりふたりで補い合える、私たちのダブルスだなって思います」 と永原は胸を張る。
さらにチームとして、松本は「コミュニケーションを頻繁に取るようになってから私たちは結果が出たなっていう実感はあるので、これからも大事にしたい」と付け加えた。
ジャパンオープン2022の女子ダブルスは9月1日に2回戦が行われ(ナガマツはフランスのマルゴ・ランベール&アンヌ・トランと対戦予定)、2日に準々決勝、3日に準決勝、4日に決勝が予定されている。
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