完全アウェーの試合環境の中、女子ダブルスの張本美和と木原美悠が、中華人民共和国の強豪ペアを破る金星を挙げ、準決勝進出を決めた。
10月8日までの日程で中華人民共和国の杭州で行われているアジア競技大会で、卓球競技9日目を迎えた9月30日、現地時間5時に女子ダブルス準々決勝が行われ、日本代表の張本美和&木原美悠(みゆう)ペアが中華人民共和国のスン・インシャ(孫穎莎)(孫穎莎)&ワン・マンユ(王曼昱)と対戦し、ゲームカウント3-1で勝利をおさめた。
この結果により、「きはり」ペアの銅メダル以上が決まった。
卓球大国・中華人民共和国で行われているアジア競技大会。卓球・女子ダブルス準々決勝は9月30日現地時間5時に始まった。
15歳の張本と19歳の木原は世界選手権で2度の優勝を誇るスン&ワンを相手に、第1ゲームから長いラリーにもきっちり対応して後半8-9でリードされるも、そこから3点連取で最初のゲームを先取。第2ゲームは完全にスン&ワンのペースで試合が展開され、5-11のおよそ8分でゲームが終了した。
ゲームカウントが1-1となった第3ゲーム。開始直後にスン&ワンが2点を先取するが、「きはり」ペアは焦ることなく落ち着いて4点を連取して4-2。さらには、6-6からも4連続得点でゲームポイントのチャンスを迎えると、「きはり」ペアが11-7で第3ゲームを掴み、ゲームカウントを2-1とした。
迎えた第4ゲームでは、5-3と「きはり」ペアがリードしたところでスン&ワン組がタイムアウト。流れを変えたい中国勢だったが、タイムアウト直後に「きはり」ペアが得点し、6-4とした。しかし、「世界最強」の呼び声が高いふたりは、そこから4連続得点で6-8。試合はフルセットに持ち込まれることになると多くのファンが思ったことだろう。
だが、「きはり」ペアの集中力が切れることはなかった。4連続失点をものともせず、2点を奪って8-8。互いに譲れない長いラリーをスン&ワンが制してポイントを奪ったかと思えば、「きはり」ペアが1点を戻して9-9。さらに1点追加して10-9でマッチポイント。最後はスンの返したボールが大きく外れて、「きはり」ペアの勝利が決まった。
試合後のインタビューで、張本は、「団体戦では負けてしまい、今日はリベンジという気持ちを持って挑めて、勝つことができて嬉しです」と話した。
一方、木原は、「中国選手と対戦するときには、攻める気持ちが一番大事だと思っていたので、最初から最後まで攻める気持ちでやっていました」と気合を入れて臨んだ試合だったことを語った。
また、張本は、「1日1日、日を重ねるごとにコンビネーションもすごい良くなってきて、特に今日はラリーがたくさん続いたんですけど、それにも対応することができてよかったと思います」と、ペアとしての手ごたえを実感していることも明かした。
次の戦いに向けては、両者ともに「ここまできたので、優勝を目指して頑張りたいと思います」と、意気込みを語った。
早田ひなもシングルスでメダル確定
同日行われた女子シングルス準々決勝には、日本女子のエース早田ひなが登場し、Chinese Taipeiのチェン・イーチン(鄭怡静)と対戦。最初の2ゲームを落としたものの、第3ゲームから4ゲームを連取して勝利し、10月1日の準決勝に駒を進めた。
また、張本&木原が出場した女子ダブルス準々決勝の直後には、男子シングルス準々決勝が行われ、張本美和の兄・智和が出場した。
日本男子のエース張本は、大韓民国のチャン・ウジンを相手に最初の3ゲームを先取して勝利に王手をかけたが、第4ゲームを落とすと、第5ゲームではデュースが続いて15-15となったところで張本がメディカルタイムアウト。足がつったような動きを見せた張本は、マッサージなど手当を受けて戻ってきたが、第5ゲームをチャンに献上し、第6ゲームでは足を引きずる様子なども見られて、ゲームカウント3-3で戦いはフルセットに持ち込まれた。
張本は、途中棄権も心配されるような動きをみせたものの、会場から張本を応援する声援と拍手が響く中、最後まで戦い抜き、最終的にゲームカウント3-4でチャンが準決勝進出を決め、張本の敗退が決まった。
男子ダブルス準々決勝に進出していた松下大星&及川瑞基ペアは、同日、ニマ・アラミヤン&ノシャド・アラミヤン兄弟ペアにストレート負けを喫した。