第19回アジア競技大会(中華人民共和国・杭州)バドミントン競技10日目最終日の10月7日(土)、現地時間午後2時から混合ダブルス決勝が行われた。渡辺勇大(ゆうた)&東野有紗(ありさ)ペアは、中華人民共和国のジェン・シーウェイ&ファン・ヤチョンペアと対戦し0-2で敗れたが、日本勢として同大会史上初となる銀メダルを獲得した。
ペア結成12年目の快挙
ペア結成12年となるわたがしペア(世界ランキング2位)は、2022年8月の世界バドミントン選手権(東京)混合ダブルス決勝でも対戦したジェン&ファンペア(中華人民共和国/同1位)と対戦。
第1ゲームの立ち上がり、連続6ポイントを先取した中華人民共和国ペアに主導権を握られ最大8ポイント差まで広がった。スピード感のある相手に対してリズムをつかめないわたがしペア。中盤、3ポイント差まで詰め寄るが15-21で逃げ切られた。
第2ゲームでは、わたがしペアが序盤4-1でリード。前日の準決勝でも中華人民共和国のペアを相手に逆転勝利した粘り強さに期待が寄せられた。しかし、長いラリーを制することができず連続5ポイントを奪われ逆転を許した。
その後、一進一退の攻防が続くが、13-13の同点となってからは、前回ジャカルタ大会金メダルの中華人民共和国ペアに連続7ポイントを取られて圧倒され、ゲームポイント0-2で勝利には届かなった。ジェン&ファンペアは連覇となった。わたがしペアは銀メダルとなった。
わたがしペアは、東京2020銀メダルのジェン&ファンペアとは、世界バドミントン選手権2022決勝で敗れてはいるものの、それ以降、3勝2敗の成績だった。直近では、7月のジャパンオープン2023決勝で対戦しており、この時はわたがしペアがストレートで勝利している。過去に何度も対戦しお互いを知り尽くしており、実力も互角と言えるペア同士の戦いだったが、今回は中華人民共和国ペアに分があった。
アジア競技大会のバドミントン混合ダブルスの歴史において、日本勢のメダル獲得は、1970年バンコク大会で小島一平&竹中悦子ペアが銅メダルを獲得して以来53年ぶりとなり、これまでに日本勢が決勝進出したことはなかった。世界の頂点にいる2ペアが相まみえた決勝で敗れたとはいえ、銀メダルを獲得したことは日本のバドミントンにとっては快挙と言える。
今大会でのバドミントン日本勢は、個人・団体戦合わせて6種目で表彰台に上るなど大躍進だった。パリ2024オリンピックを目指す日本代表選手の今後の活躍に注目したい。