10月8日までの日程で行われているアジア競技大会で、陸上競技4日目となった10月2日、男子200mで上山紘輝が金メダルを獲得した直後に男子110mハードル決勝が行われ、日本代表の高山峻野(しゅんや)がヤクブ・アルユーハ(クエート)と同タイムとなる13秒41を記録し、着差なしで2人そろって金メダルを獲得した。
銅メダルは13秒50のシュー・ヂュオイー(中華人民共和国)。日本代表の石川周平は13秒63で5着。
日本代表選手の金メダル獲得は、1982年ニューデリー大会以来41年ぶりの快挙。高山は2018年大会の銅メダルに続き2大会連続のメダル獲得となった。
現地時間午後8時すぎに始まった男子110mハードルは、第8レーンの高山が好スタートを切って抜け出したかと思われたが、隣の第7レーンのアルユーハが差をつけられまいと必死に高山に食らいつき、最後までふたりがトップ争いを繰り広げ、そのままフィニッシュ。
どちらが勝ったのかが注目される中、スクリーンに映し出されたのは「TAKAYAMA Shunya」の文字。そしてその直後に、同じく1着として、アルユーハの名前が表示された。タイムは13秒41(.409)。ふたりの金メダリストが誕生した。
レース後のインタビューで、高山は41年ぶりの快挙について聞かれると、「知らなかったんですけど、嬉しいです」と笑顔を見せた。「中盤までしっかり出れたんですけど、後半バランスを崩して追いつかれたので、個人的には納得できなかったんですけど、優勝できてよかったです」と喜びを語った。
男子110mハードルには、日本記録(13秒04)を保持するふたりの選手、泉谷駿介、村竹ラシッドがいる。一方の高山の自己ベストは13秒10。来年に迫るパリ2024オリンピックについて聞かれた高山は、「一番上の泉谷君だったり、ラシッド君が早くてついていけてないところがあるので、来年に向けてしっかり冬季練習を積んで頑張っていきたいです」と気合を入れた。