凱旋門に光り輝くパラリンピック・シンボル：スリーアギトス

エッフェル塔にオリンピック・リングが設置された日から3週間後の6月28日、パラリンピズムのシンボルであるスリーアギトスが、パリの最も象徴的なモニュメントのひとつである凱旋門に設置された。

大事な瞬間が近づいている。パリ2024パラリンピック競技大会開幕まであと2か月となった6月28日、凱旋門にスリーアギトスが飾られ光り輝いた。ロンドン2012のタワーブリッジ、リオ2016のコパカバーナビーチ、東京2020の東京湾に設置されたスリーアギトスは、今、フランスの最も象徴的な場所のひとつに落ち着き、パリ2024パラリンピックの開幕を待つ。

オリンピックのシンボル、オリンピック・リングと同じように、パラリンピックムーブメントのシンボルであるスリーアギトスは、パリ2024のオフィシャルパートナーであるアルセロール・ミッタル社（ArcelorMittal）によって設計および製造された。

競技大会史上初めての試み

3つのアギト、スリーアギトスは、100％リサイクル鋼材を用いて、全てフランス国内（シャトーヌフ、ル・クルーゾ、ダンケルク、ドゥナン）で製造され、幅12メートル、高さ9メートルの大きさがある。凱旋門を丁寧に保護した上で、地上44メートルの高さに設置された。それぞれのアギトは重さが1.5トンあり、サイズは高さ7メートル、幅3メートル、奥行き35センチメートルとなっている。凱旋門への観光客やエトワール広場周辺の交通を妨げないように配慮しつつ、数週間にわたる夜間作業によって、スリーアギトスはあらかじめ設置されていた鋼製フレームに設置された。

競技大会史上で初めて、スリーアギトスは、オリンピック・リング（エッフェル塔）と同時に同じ都市の中に設置され、市民は両シンボルをいつでも見ることができる。これによって、パリ2024は「パリ2024競技大会は、オリンピックとパラリンピックとともに9月8日まで続く祝典なのです！」と市民に呼びかけている。

「凱旋門の上にスリーアギトスを見ることができ、とても誇りに思います。私たちは、オリンピック・リングと同時にスリーアギトスも掲げた競技大会の最初の開催国となりました。これからは、誰もがそれらを首都パリの中心で見ることができ、8月28日にはシャンゼリゼ通りがパラリンピック競技大会の中心になります」と、パリ2024大会組織委員会トニー・エスタンゲ会長は話した。

今後、シャンゼリゼ通りから、ライトアップされて凱旋門に輝くスリーアギトスを見ることができる。フランスで最も有名な通りであるシャンゼリゼ通りは、パリ2024パラリンピックの中心となり、開会式がその一端からコンコルド広場にかけて行われる。パリ2024パラリンピックは、開会式がスタジアムの外で開催される初めての大会となる。

アギトスが誕生するまでの歴史

第1回パラリンピックは1960年にローマで開催されたが、パラリンピックムーブメントのシンボルとして公式ロゴが採用されたのは1988年からだった。1988年にソウルで開催されたパラリンピックでは、パラリンピック・シンボルは5つのテゲク柄（大韓民国の伝統的なデザイン）を用いて構成され、オリンピック・リングの青、黒、赤、黄、緑と同じ色が使用され、配置も同様のものだった。

その後、1994年に国際パラリンピック委員会（IPC）によって、赤、青、緑の3つのテゲク柄に変更することが決定された。さらに10年後、テゲク柄は赤、青、緑の3色からなるアギトスへと移行することになる。この3色は、世界中の国旗で最も一般的に使用される色を象徴している。2019年にわずかに修正されたスリーアギトスは、それ以来、現在のパラリンピック・シンボルとして定着した。スリーアギトスは、勇気、強い意志、インスピレーション、公平という4つのパラリンピックの価値を表している。

利用しやすくなった観戦チケットをゲットしよう！

「私たちは何も不足していません。ただあなただけ！」というキャンペーンで、パリ2024はパラリンピック観戦を呼び掛けている。すでに100万枚のチケットが販売されているが、観戦の機会はまだまだたくさん用意されている。

スタッド・ド・フランスでのパラ陸上競技、パリ・ラ・デファンス・アリーナでのパラ水泳、ベルシー・アリーナでの車いすバスケットボール、グラン・パレでのパラテコンドーなどの決勝戦の観戦チケットは、25ユーロ以下の価格で550,000枚が販売されており、その内、15ユーロ以下のチケットが120,000枚用意されている。