オリンピックデーとは? オリンピックムーブメントを祝うこの日の由来や今年のテーマは?

1894年6月23日にピエール・ド・クーベルタン男爵によって国際オリンピック委員会が設立されたことを記念して定められたオリンピックデー。誰でも参加できるオリンピックデー、2023年のテーマは? 

1 執筆者 Olympics.com
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オリンピックデーはいつ? なんの日?

オリンピックデーは、スポーツ、健康、そして共にあることを祝う日。毎年6月23日、世界中の人々が目的を持って活動し、共に行動することが呼びかけられる。

その由来は1894年にまでさかのぼる。同年6月23日にパリのソルボンヌ大学でスポーツ競技者連合の会議が行われ、ピエール・ド・クーベルタン男爵が古代オリンピックの復活を提案し、オリンピックの開催が決定。同時に国際オリンピック委員会(IOC)が設立された。

この日をオリンピックデーとして祝うきっかけとなったのは1947年にスウェーデン・ストックホルムで開催された第41回IOC総会のこと。チェコ出身のドクター・グルースIOC委員が、オリンピックムーブメントが意味するすべてのことを祝う日として世界オリンピックデーを設けるアイディアを提案した。

数ヵ月後の1948年1月、スイスのサンモリッツで行われた第42回IOC総会でこのプロジェクトが承認されると、オリンピック・ムーブメントの歴史における特別な瞬間を祝うことを目的に、世界各地の国内オリンピック委員会が主体となってイベントを開催することが呼びかけられた。

6月23日のオリンピックデーは、スポーツを通じて世界をより良い場所にすることを示す日として、毎年、世界各地の人々が参加してさまざまな行事が行われている。

2023年のオリンピックデーのテーマは?

今年のオリンピックデーでは、「Let's Move(レッツムーブ)」をテーマに1日の中で体を動かす時間を作ることが呼びかけられる。

世界はかつてないほど速く動いているが、80%以上の若者が心身の健康維持のために推奨される毎日の活動レベルに達していないという調査結果もある。この6月23日という日は、体を動かす時間を作るという新たなムーブメントの始まりとなる。

トーマス・バッハIOC会長は、「オリンピックデーでは、スポーツを通じて世界をより良い場所にするというオリンピック・ムーブメントの使命を祝います。スポーツをすることで、私たちは心と体を強く健康に保つことができます。スポーツをすることで、私たちは常にベストを尽くそうという気持ちが湧き、その活動が夢を与え、喜びを広げ、私たちを結びつけてくれます。今年、私たちは世界保健機関(WHO)とともに、スポーツが心と体の健康に与えるポジティブな影響に焦点を当てます。私たちは、世界中の人々が毎日もっと体を動かすようになることを望んでいます。スポーツと身体活動は、健康な心と体、そして健全なコミュニティのために、低コストで高い効果を発揮するツールなのです」と語った。

初めてのオリンピックデーはいつ?

初めてオリンピックデーの記念行事が行われたのは1948年6月23日。ポルトガル、ギリシャ、オーストリア、カナダ、スイス、英国、ウルグアイ、ベネズエラ、ベルギーでオリンピックデーのイベントが企画され、ジークフリード・エドストレームIOC会長(当時)が世界各地の若者たちにメッセージを伝えた。

1978年に改定されたオリンピック憲章では、すべての国内オリンピック委員会がオリンピック・ムーブメントを促進するためにオリンピックデーの記念行事を実施することが推奨された。

現在、オリンピック憲章には「定期的に、可能であれば毎年、国内オリンピック委員会がオリンピック・ムーブメントを促進するためのオリンピックデーまたはウィーク(週間)を開催することが推奨される」と記載されている。

オリンピックデーには何をする?

今年のオリンピックデーには、「連帯」「包摂・一体性(インクルージョン)」「持続可能性」の価値を共有するため、世界各地のおよそ500万人が記念行事に参加することが予想される。

それらのイベントは誰でも参加可能で、今年(2023年)の6月23日には、オリンピック選手や世界中の人々が楽しく一緒に30分間の運動を行うユニークなイベントが設けられている。このイベントでは、元バスケットボール選手のパウ・ガソル(スペイン)、元陸上選手のアリソン・フェリックス(アメリカ合衆国)、BMXライダーのローガン・マーティン(オーストラリア)、バドミントン選手のシンドゥ・プサルラ(インド)、競泳選手のユスラ・マルディニ(シリア)らと一緒に体を動かすことができる。

詳しくは、オリンピック招待状をチェック! この運動はOlympics.comや、ソーシャルプラットフォーム(@Olympics)で公開される。

世界各国のオリンピック委員会も、年齢、性別、社会的背景、スポーツの能力に関係なく、すべての人が参加できるよう工夫を凝らしたイベントを企画している。中には、学校行事に組み込んでいる国もある。

また例年、IOCの本部があるスイスのローザンヌをはじめ、世界各地でオリンピックデーランが企画され、多くの人々が参加する。1987年に始まったこのランニングイベントは、すべての国内オリンピック委員会がオリンピックデーを記念して実施することが奨励され、スポーツへの参加を多くの人に呼びかける目的で行われる。

第1回大会では45団体がイベントを主催し、現在では100以上の国内オリンピック委員会が参加するまでに成長した。

近くで開催されるオリンピックデーランを探して、参加してみては? あるいは、友人や家族、ひとりででも、体を動かす習慣を作る絶好のチャンス。オリンピックデーにもし何らかの活動に参加する場合は、ソーシャルメディアで@gorinのタグを付け、#LetsMove #オリンピックデーのハッシュタグを添えて投稿し、多くの人とその活動を共有しよう。