【フィギュアスケート】世界選手権:男子シングル新チャンピオンの最右翼は鍵山優真と宇野昌磨

文: オリンピックチャンネル編集部
写真: Getty Images

誰かが頂点へと駆け上がる。オリンピックシーズンを締めくくる世界選手権は、ここ3回、新たなチャンピオンが誕生してきた。2010年髙橋大輔、2014年羽生結弦、そして2018年ネイサン・チェン。2022年3月、フランスのモンペリエでも、これからの時代を牽引するフレッシュな世界王者が誕生する。

金色の栄光に最も近い位置に着けるのは、もちろん日本のオリンピックメダリスト2人だ。鍵山優真は1年前の世界選手権デビューで2位に飛び込み、生まれて初めてのオリンピックでも団体戦・個人戦ともにメダルをさらいとった。極めて精度の高い4回転ジャンプと、やはりスケーターだった父親直伝の、滑らかなスケーティング。高く安定した技術に、18歳らしい溌剌とした表現力が加わるのだから、世界はすっかり鍵山に魅せられてしまった。

約1カ月半前のオリンピック男子シングルのショートプログラム(SP)では、チェン、羽生に次ぐ世界歴代3位に当たる108.12点という高いスコアを叩き出した。団体戦フリースケーティング(FS)では、やはり2人に続き、史上3人目となる200点超え(208.94点)を達成。個人戦の総合得点310.05点もまた、史上3人目の300点超の快挙だった。

これまでは若き挑戦者としての立場だったが、羽生とチェンが負傷による欠場を表明した今大会は、鍵山こそが絶対的本命に名を挙げられる。渡仏直前に高校を卒業し、4月から大学生になる前に、世界一の称号をつかみとりたい。

また、苦悩の日々を乗り越え、2大会連続でオリンピックの表彰台に上がった宇野昌磨は、充実したシーズンをメダルで締めくくれるか。世界選手権ではすでに、過去2回銀メダルを手にしている。

今季は出場した全ての大会で表彰台を実現させてきた。その過程で大きく目を引いたのは、積極果敢な姿勢だった。偉大なるチェンや羽生の背中を追いかけるだけでなく、後輩の鍵山の存在に大きな刺激を受けているという宇野は、FSで4回転5本を組み込む難構成へ挑戦し続けたのだ。

ただ、今季4戦を終えた時点で、5本全てを完璧にそろえたパフォーマンスはいまだ披露できていない。もしかしたら宇野にとっては、メダル獲得やスコアよりも、この挑戦を成功させることの方が重要かもしれない。もちろん、冒頭立て続けに3本の4回転、後半にコンビネーションを含む、2本の4回転を成功させれば、自動的に自身3度目の世界選手権メダルが手に入るはずだ。

羽生の欠場により、三浦佳生が世界選手権への切符を手に入れたが、その三浦も肉離れで開幕6日前に出場を断念。代わりに友野一希が、自身2度目の大舞台へと向かうこととなった。

4年前の初出場時も、やはり突然の代替出場だったが、会場を沸かせる魅力的な演技で堂々5位入賞。また、各国代表の世界選手権の成績により、翌シーズンの世界選手権の出場枠が決まるのだが、友野の奮闘のおかげで日本男子は最高「3枠」を死守している。頼もしい3人目として、何より今季もピカイチのステップシークエンスの使い手として、モンペリエの観客を魅了してくれるはずだ。

アメリカ合衆国のヴィンセント・ジョウとイリヤ・マリニンもまた、世界の頂点を志す。オリンピック団体戦でメダリストとなった翌日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性で個人戦棄権となったジョウにとっては、特に世界選手権へとかける思いは強いはずだ。また、チェンやジョウが「未来の王者」と絶賛する17歳マリニンは、異次元の4回転ジャンパーとして、世界選手権デビューを果たす。

今季の四大陸王者であり、北京でも5位と飛躍を遂げたジュンファン・チャ(大韓民国)や、難易度の高い4回転ジャンプを武器に高い技術点を叩き出すダニエル・グラッスル(イタリア)も、表彰台争いに絡んでくるかもしれない。モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア)もやはり大きな4回転が魅力。

地元、ケヴィン・エイモズ(フランス)やデニス・ヴァシリエフス(ラトビア)は、完成された独特の世界観で見る者をプログラムの中に引き込むだろうし、メキシコ男子として史上初めてオリンピックでフリー進出を果たしたドノバン・カリリョ(メキシコ)の、さらなるレベルアップも期待したい。

また、出発前検査でコロナ陽性だったことから、オリンピック個人戦前夜にぎりぎり北京入りしたキーガン・メッシング(カナダ)や、メッシングの代わりに急遽団体戦を戦い抜き、個人戦は疲労でぼろぼろだったロマン・サドフスキー(カナダ)にとっては、間違いなくリベンジの一戦となる。

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