鍋島莉奈:女子5000mで日本選手権連覇、マラソンにも挑戦

2017年世界選手権に出場した鍋島莉奈(右)

日本選手権では2017年、2018年と連覇を果たし、アジア大会では4位入賞。3000メートルでは日本歴代2位、5000メートルでは日本歴代9位の記録を持つ鍋島莉奈は、東京五輪でも活躍が期待されている。

中学で陸上を始めた少女は、徐々に才能を開花させ日本トップレベルの選手へ成長

高知県に生まれた鍋島は、小学生のころはサッカーに夢中な少女だった。進学した地元の中学校では女子サッカー部がなかったため、陸上競技に転向。中学時代は全国レベルで活躍する選手ではなかった。高校では陸上の名門校である高知県立山田高校に進学。主に駅伝などの長距離を走り、全国高校駅伝には3年連続で出場した。

鹿屋体育大学では、大学1年次に日本学生陸上選手権女子5000メートルで大会記録を更新して優勝。全日本インカレでは女子10,000メートルで2連覇を果たすなど名を馳せた。

2016年に大学を卒業すると、日本郵政グループへ入社し、同社の陸上部へ入部。2017年の日本選手権で初優勝を飾ると、日本代表として世界陸上へ出場した。翌年も日本選手権で連覇を果たし、アジア大会では表彰台こそ逃したものの、4位入賞を成し遂げた。同年3月には名古屋ウィメンズマラソンでマラソンに初挑戦し、3位入賞を果たしている。
2018年には陸上最高峰のリーグ戦であるIAAFダイヤモンドリーグに参戦し、第11戦のロンドン大会では女子3000メートルで日本歴代2位となる記録をマークしている。

2018年に多くの自己ベストを更新

鍋島は女子3000メートルで日本歴代2位の記録を持っている。一方、女子5000メートルの自己最高タイムは日本歴代9位。しかし、本人にとっては5000メートルが最も得意な種目のようだ。何より、東京五輪では3000メートルは実施されない。

2018年に鍋島は1500メートル、3000メートル、5000メートルで自己ベストを更新した。ここから2020年までにさらなる成長を遂げることができたなら、東京五輪での上位入賞も夢ではなくなってくる。

リオ五輪女子5000メートルでは、日本からは3人の選手が出場し、日本勢からは唯一決勝に進出した上原美幸が15位に入った。東京五輪では2大会連続の日本勢決勝進出を期待したいが、単純なタイムではなく試合展開が大きくものをいう種目なだけに、開催国の声援が大きな影響を与えることになるはず。ホームアドバンテージを考えれば、上原を越える順位でのフィニッシュも十分に考えられるだろう。

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