東京五輪の体操日本代表は?出場選手を整理: 1年延期の影響は?内定変更は?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、Tokyo2020(東京五輪)の開催は1年延期されることになった。延期によって代表選考に影響は出るのか? 東京五輪の体操競技(体操・トランポリン・新体操)出場枠、内定選手、今後の日本代表選考について整理する。
■体操競技・体操:出場枠を巡る争いは?
体操の東京五輪出場枠争いは、まず国・地域で出場枠(国資格)を得る必要がある。男子は2018年の世界選手権決勝3位以内となったことで、女子は2019年世界選手権予選9位以内(2018年世界選手権で出場権を獲得した国・地域を除く)となったことで、それぞれ国資格を得ている。日本は団体戦の出場枠を得ているため、男女とも「4」人ずつ個人種目に出場することが確定している。
団体戦に出場する12カ国×4人の「48」枠とは別に、東京五輪からは個人出場枠「50」枠が設けられている。個人枠は、国・地域に与えられる場合と、個人で獲得する場合があり、1カ国の上限が男女それぞれ「2」枠と定められている。
国際体操連盟(FIG)は現地時間4月9日に東京五輪予選規定を確認し、3月中旬に途中中止となったワールドカップ・バクー大会について、終了した予選の順位で成績をつけた。
参考:体操競技・新体操・トランポリン出場権獲得基準(pdf形式)
■体操競技・体操の内定選手は?選考方法は?
日本は男女とも団体戦に出場するため、男女とも「4」人の出場が決まっている。この「4」枠に関する選考は、2020年4月17日から開催の第74回全日本体操競技個人総合選手権大会から本格化するする予定だったが、大会自体の見送りが決定。東京五輪の1年程度延期も発表されたことで、新たな選考基準が設けられる見込みだ。4月9日のFIGの発表では、年齢制限(男子18歳以上、女子16歳以上)を維持するため、規定を変更するとした。採点基準や得点に変更はない。
個人出場枠を争う種目別ワールドカップなども延期・中止が発表されており、こちらに関してもFIGが東京五輪延期に対応した新基準を提示することになるだろう。
ケガで代表争いに影響が出ていた内村航平や寺本明日香にとっては東京五輪延期が追い風となる可能性がある。
- 男子 団体:「4」
- 男子 個人総合:「4」
- 男子 種目別ゆか: 未定
- 男子 種目別あん馬: 未定
- 男子 種目別つり輪: 未定
- 男子 種目別跳馬: 未定
- 男子 種目別平行棒: 未定
- 男子 種目別鉄棒: 未定
- 女子 団体:「4」
- 女子 個人総合:「4」
- 女子 種目別ゆか: 未定
- 女子 種目別段違い平行棒: 未定
- 女子 種目別平均台: 未定
- 女子 種目別跳馬: 未定
■体操競技・トランポリンの内定選手は?選考方法は?
東京五輪のトランポリン出場選手数は、男女とも「16」枠。そして国・地域ごとの上限が男女とも「2」枠となっている。東京五輪出場権は、まず2019年に開催された世界選手権個人決勝に進出した選手(男女とも国・地域ごとの上限「1」)に与えられる。この条件を満たしたのが、堺亮介と森ひかる。東京五輪の1年延期が発表されたものの、この2人の内定は継続される。
日本がさらに「1」枠を獲得するためには、2019年から2020年にかけて開催されるワールドカップシリーズで4位までになる必要がある。(出場枠は国に与えられる)対象6大会のうち5大会までが終了しているものの、最終戦が延期されており、順位は確定していない。なお日本が出場枠を獲得した場合、W杯シリーズで日本人最上位の選手に内定が与えられる。
参考:体操競技・新体操・トランポリン出場権獲得基準(pdf形式)
- 男子: 堺 亮介・「1」まで
- 女子: 森ひかる・「1」まで
■体操競技・新体操の内定選手は?選考方法は?
新体操の団体は、2018年の世界選手権上位3チーム、2019年の世界選手権上位5チーム(2018年の定3チームは除く)に与えられる。フェアリー ジャパン POLA(新体操日本代表)は2019年の世界選手権団体で金メダルを獲得したため、開催国枠を使うことなく、東京五輪出場を決めている。新体操団体は1チーム5人が2回の演技を行う。どのメンバーが出場するかは現時点で未定だが、現時点で団体のメンバーに選ばれている11名が有力候補と見て間違いないだろう。
参考:第16期 新体操日本代表フェアリージャパンPOLA(pdf形式)
新体操個人の東京五輪出場枠は全体で「26」。国・地域ごとの上限は「2」枠となっている。全出場枠のうち「16」枠は、2019年世界選手権の個人決勝進出者に付与。皆川夏穂が13位となり「1」枠を獲得した。(皆川個人ではなく、日本が「1」枠を獲得)残り「1」枠は、2020年のW杯シリーズ4大会で上位3大会のポイントによる個人ランキング上位3名となった場合に獲得できる。ただし2020年の全4大会は中止。2021年に開催される4大会で争われる。
- 団体: フェアリー ジャパン POLA
- 個人総合:「1」or「2」