【東京オリンピック出場枠争い】近代五種:日本の参加枠は実質1枠? カギになるのはアジア予選

1 執筆者 Olympic Channel 編集部
日本人最上位の小野友行

東京五輪出場枠争いの概要

五輪では個人戦のみで、男女ともに全36選手によって行われる。以下の大会で条件を満たせば、五輪本戦出場権を確保することができる。ただし、各国男女最大2名まで。 

五輪前哨戦として、2019近代五種 ワールドカップファイナル東京大会が、五輪本大会と同じ、東京スタジアム・武蔵野の森総合スポーツプラザを会場として開催される。

出場権の掛かった(主要)大会一覧

出場権が掛かった大会一覧は以下の通り。※男女共通。( )内は出場枠

1)2019近代五種 ワールドカップファイナル東京大会優勝者(1)(2019年5月)

※会場は五輪本大会と同じ、東京スタジアム・武蔵野の森総合スポーツプラザ

2)各大陸選手権上位入賞者

  • アジア・オセアニア選手権(アジア5、オセアニア1)(2019年11月)
  • 2019年パンアメリカン競技大会(北中米2、南米2、最上位1)(2019年7月)
  • ヨーロッパ選手権(8)(2019年8月)
  • アフリカ選手権(1)(2019年2月)

3)2019近代五種世界選手権(3)(2019年9月)

4)2020近代五種世界選手権(3)(2020年5月)

5)2020年6月1日付、UIPMオリンピック世界ランキング上位6名(6)

6)開催国枠(1)

7)三者委員会から特別招待枠(2)

出場権争いの現状:出場決定選手

出場権争いの現状:出場決定選手

すでにアフリカ選手権が終了し、男子はSherif Nazeir(エジプト)、女子はHaydy Morsy(エジプト)が出場権を獲得。日本はすでに開催国枠を確保している為、男女ともに1枠ずつ出場権がある。残りの男女それぞれ34枠は、世界選手権や各大陸別選手権で争われる。

現在のランキング

(男子)

1位 ヴァランタン・プラード(フランス)

2位 ジュン・ウンテ(韓国)

3位 アーサー・ラニガンオキーフ(アイルランド)

66位 小野友行

118位 岩元勝平

(女子)

1位 MARIE OTEIZA(フランス)

2位 SAROLTA KOVACS(ハンガリー)

3位 ULIANA BATASHOVA(ロシア)

23位 朝長なつ美

28位 山中 詩乃

有力選手など

男子は、2018年ジャカルタアジア大会に出場した小野友行と岩元勝平、昨年11月に行われた第58回近代五種全日本選手権大会で2年ぶりに優勝した嶋野光、リオデジャネイロ五輪に出場した三口智也が、2019ナショナルチームに編成されている。

この4人が国際大会に派遣され、五輪出場権をかけた戦いに挑む。ランキング日本人最上位は小野だが、嶋野は小野を抑えて全日本を制している。世界トップレベルとは差があるため、アジア選手権で5位以内に入ることが可能かどうかである。

世界を見渡せば、2018年世界選手権を制したJAMES COOKE(英国)、ランキング首位のヴァランタン・プラード(フランス)を中心にメダル争いが繰り広げられるだろう。

女子は、2018年全日本選手権を制した島津玲奈、ランキング日本人最上位でリオデジャネイロ大会から2大会連続出場を狙う朝長なつ美、ロンドン大会以来の出場を狙う山中詩乃、全日本で島津に次いで2位に入った高橋瑠佳で、2019ナショナルチームが編成されている。

五輪経験者の朝長、山中がランキングでも上位に位置していて優位ではあるが、2018年全日本選手権で上位に入った島津や高橋は、朝長を抑えている。

金メダル争いとなれば、ランキング首位を走るMARIE OTEIZA(フランス)、2018年世界選手権を制したANASTASIYA PROKOPENKO(ベラルーシ)、2位に入ったANNIKA SCHLEU(ドイツ)が中心になるだろう。

日本人選手の出場枠/開催国枠争いの状況、選考大会への出場権獲得状況

1か国から男女最大2名ずつ出場枠を確保することが可能。2019近代五種ワールドカップファイナル東京大会を制すれば、そのまま五輪本大会へ出場権を獲得することができるが、現在の世界ランキングから考えても、アジア大陸予選で上位に入ることで出場権を確保したい。

ただ、アジア大陸予選で日本選手が上位を占めたとしても、ここで出場権を確保できるのは1名のみとなる。アジア予選で出場権を確保できなかった場合は、ワールドカップシリーズなどの世界大会で権利を獲得しなければならない。

もし仮に、オリンピック出場権獲得者が3名以上の場合、UIPM(国際近代五種連合)が発表する2020年6月1日時点のオリンピック・ペンタスロン・ワールド・ランキング(OPWR)上位から2名が日本代表として出場する。期日までに資格が得られなかった場合は、開催国枠で出場となり、OPWR最上位の選手1名が選出される。

【OPWR】対象試合

  • 2019年7月 ベラルーシオープン
  • 2019年9月 ポーランドオープン
  • 2019年9月 キルギスオープン
  • 2019年11月 アジア大陸選手権
  • 2020年1月 ブタベストインドア
  • 2020年4月~5月 USオープン
  • 2020年 ワールドカップシリーズ
  • 2020年5月 UIPMワールドカップファイナル
  • 2020年5月 UIPM世界選手権

ただし、2019年世界選手権及びアジア大陸選手権終了後に、結果を踏まえて改訂される可能性はある。日本人の出場枠は、現在の世界との距離を考えて1枠と見てよいだろう。

東京オリンピック代表内定選手(11月14日時点)

男子

  • 岩元勝平

女子

  • 朝長なつ美
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