17日間の祭典・東京オリンピック 開閉式の演出にも注目! 各競技日程も決定
開会直後から日本勢のメダルラッシュに期待
開会式以前に予選がスタートする競技もあるが、オリンピックは開会式から閉会式まで17日間かけて行われる。東京五輪では、競技1日目の2020年7月25日(土)に柔道やアーチェリー、フェンシングなどが決勝を迎え、早々に日本勢のメダルラッシュの期待も。競技はもちろん、狂言師の野村萬斎らが手がける開閉式にも注目だ。
2020年大会は史上最多の33競技339種目を実施
オリンピック憲章には日程について「競技実施期間は16日間を超えてはならない」と記されている。2020年東京五輪は7月24日(金)に開会式、8月9日(日)に閉会式を行う。開会式翌日から閉会式までの合計は16日間になるが、開会式、閉会式当日に行われる競技もあるため競技日程は17日間となる。ソフトボールやサッカーは開会式に先立って7月22日(水)から試合が行われる。
厳密には「16日間」ではないが、オリンピック憲章には「関係IF(国際競技連盟)およびIOC理事会がこれと異なる期間を承認した場合は、その限りではない。その場合、いくつかの試合および予選は、開会式に先立ち実施することができる」とも記されている。そのため、開会式前に始まる競技、開会式、閉会式当日に行われる競技があっても特に問題はない。
東京五輪はメーン会場であるオリンピックスタジアム(新国立競技場)をはじめ、合計42会場で、史上最多の33競技339種目が行われる。会場は1964年東京五輪のレガシーを引き継ぐ「ヘリテッジゾーン」、都市の未来を象徴する「東京ベイゾーン」という2つのゾーンに点在しており、両方が交わる東京都中央区晴海に選手村が設置される。
日本国内向けの観戦チケットは、2019年5月9日から申し込みが始まる抽選販売を皮切りに大会公式チケット販売サイトで発売され、2020年春からはチケット販売所を通じた実店舗販売も行われる予定となっている。大会公式チケット販売サイトで購入する際には「TOKYO 2020 ID」の登録が必要となる。
東京五輪主要競技決勝戦スケジュール | |||
競技/式 | 開始日 | 終了日 | 会場 |
開会式 | 7月24日 | 国立競技場 | |
水泳(競泳) | 7月25日 | 8月2日 | 東京アクアティクスセンター |
水泳(飛込) | 7月26日 | 8月8日 | |
水泳(アーティスティック) | 8月3日 | 8月8日 | |
水泳(水球) | 7月25日 | 8月9日 | 東京辰巳国際水泳場 |
水泳(マラソン) | 8月5日 | 8月6日 | お台場海浜公園 |
アーチェリー | 7月24日 | 8月1日 | 夢の島公園 |
陸上(競歩) | 7月31日 | 8月8日 | 皇居外苑 |
陸上(トラック) | 7月31日 | 8月9日 | 国立競技場 |
陸上(マラソン女子) | 8月2日 | 国立競技場 | |
陸上(マラソン男子) | 8月9日 | ||
バドミントン | 7月25日 | 8月3日 | 武蔵野の森総合スポーツプラザ |
野球・ソフトボール | 7月22日 | 8月8日 | 横浜スタジアム/福島あづま球場 |
バスケットボール(3x3) | 7月25日 | 7月29日 | 青海アーバンスポーツパーク |
バスケットボール | 7月26日 | 8月9日 | さいたまスーパーアリーナ |
ボクシング | 7月25日 | 8月9日 | 両国国技館 |
カヌー(スラローム) | 7月26日 | 7月31日 | カヌー・スラロームセンター |
カヌー(スプリント) | 8月3日 | 8月8日 | 海の森水上競技場 |
自転車(ロードレース) | 7月25日 | 7月29日 | 武蔵野の森公園~富士スピードウェイ |
自転車(MTB) | 7月27日 | 7月28日 | 伊豆マウンテンバイクコース |
自転車(BMX) | 7月30日 | 8月2日 | 青海アーバンスポーツパーク(有明BMXコース) |
自転車(トラック) | 8月3日 | 8月9日 | 伊豆ベロドローム |
馬術(総合馬術) | 7月31日 | 8月3日 | 馬事公苑(世田谷)/海の森クロスカントリーコース |
馬術(馬場馬術) | 7月25日 | 7月29日 | |
馬術(障害馬術) | 8月4日 | 8月8日 | |
フェンシング | 7月25日 | 8月2日 | 幕張メッセ Bホール |
サッカー | 7月22日 | 8月8日 | 国立競技場/横浜国際総合競技場/埼玉スタジアム/茨城カシマスタジアム/宮城スタジアム/札幌ドーム、計7会場 |
ゴルフ | 7月30日 | 8月8日 | 霞ケ関カンツリー |
体操(体操) | 7月25日 | 8月4日 | 有明体操競技場 |
体操(トランポリン) | 7月31日 | 8月1日 | |
体操(新体操) | 8月7日 | 8月9日 | |
ハンドボール | 7月25日 | 8月9日 | 国立代々木競技場 |
ホッケー | 7月25日 | 8月7日 | 大井ホッケー競技場 |
柔道 | 7月25日 | 8月1日 | 日本武道館 |
空手 | 8月6日 | 8月8日 | 日本武道館 |
近代五種 | 8月6日 | 8月8日 | 東京スタジアム/武蔵野の森総合スポーツプラザ |
ボート | 7月24日 | 7月31日 | 海の森水上競技場 |
セーリング | 7月26日 | 8月5日 | 江の島ヨットハーバー |
ラグビー | 7月27日 | 8月1日 | 東京スタジアム |
射撃(ライフル) | 7月25日 | 8月3日 | 陸上自衛隊 朝霞訓練場 |
射撃(クレー) | 7月26日 | 8月1日 | |
スケートボード | 7月26日 | 8月6日 | 青海アーバンスポーツパーク |
スポーツクライミング | 8月4日 | 8月7日 | 青海アーバンスポーツパーク |
サーフィン | 7月26日 | 7月29日 | 釣ヶ崎海岸 |
卓球 | 7月25日 | 8月7日 | 東京体育館 |
テコンドー | 7月25日 | 7月28日 | 幕張メッセAホール |
テニス | 7月25日 | 8月2日 | 有明テニスの森 |
トライアスロン | 7月27日 | 8月1日 | お台場海浜公園 |
ビーチバレー | 7月25日 | 8月8日 | 潮風公園 |
バレーボール | 7月25日 | 8月9日 | 有明アリーナ |
ウエイトリフティング | 7月25日 | 8月5日 | 東京国際フォーラム |
レスリング | 8月2日 | 8月8日 | 幕張メッセAホール |
閉会式 | 8月9日 | 国立競技場 |
前回大会リオ五輪の日本勢金メダル1号は萩野公介
開会式翌日、競技1日目となる7月25日(土)には、アーチェリー、自転車競技(ロードレース)、フェンシング、柔道、射撃(ライフル)、テコンドー、ウエイトリフティングの各競技で一部種目の決勝が早速行われる。
とくに、オリンピックで総計84ものメダルを獲得し、2016年リオデジャネイロ五輪では男子が7階級すべて、女子も7階級中5階級でメダルを獲得した柔道で、東京五輪・日本人メダリスト第1号が誕生する可能性が高い。
それ以外の競技についても、過去のオリンピックで日本人選手がメダルを獲得した競技ばかりであり、競技1日目から各会場での日本人選手メダルラッシュも期待できる。2016年リオデジャネイロ五輪では水泳が競技1日目から行われ、男子400メートル個人メドレーの萩野公介が日本勢金メダル第1号となった。
2020年東京五輪の閉会式当日の8月9日(日)には男子水球、男子マラソン、女子バスケットボール、男女ボクシング、男女自転車競技(トラック)、新体操、女子ハンドボール、女子バレーボールで決勝が行われる。
男子マラソンは、2018年に日本最高記録が2度にわたって更新されるなど、世界と渡り合える状況が整いつつあり、地の利を生かせば日本人選手のメダル獲得も十分に期待が持てる。ボクシングや自転車競技(トラック)にもメダルの期待がかかるほか、新体操の「フェアリージャパン」や女子バレーボールの「火の鳥NIPPON」にも注目だ。
開閉式には日本の伝統芸能の彩りも
オリンピックでは開会式と閉会式が行われる。開会式では芸術的パフォーマンスのあとに選手団の入場行進が行われ、聖火点灯でクライマックスを迎える。
入場は先頭がギリシャ、最後が開催地の国、その間は開催地の国で使用されている言語の順番で入るというルールがある。ギリシャが先頭なのは、1986年の第1回大会が同国のアテネで行われたことに由来する。日本で開催される東京五輪では、普通に考えるとギリシャのあとは「あいうえお順」で入場する可能性が高いが、1964年の東京五輪では英語のアルファベット順で行われた。
聖火点灯は、以前はトーチを持った最終ランナーが聖火台に直接、点火する形が一般的だったが、近年は趣向を凝らした点灯が行われている。最も大きなインパクトを残したのは、1992年アトランタ五輪の聖火点灯だろう。パラリンピックのアーチェリー選手だったアントニオ・レボージョが聖火のついた矢を聖火台に向けて放ち、見事に点火させたシーンはオリンピックの名場面の一つになっている。
閉会式は“後夜祭”のようなにぎやかな雰囲気のなかで行われる。開会式で掲げられたオリンピック旗が降納され、次の開催地の関係者へと引き継がれ、聖火の消灯とともに幕引きとなる。2016年リオデジャネイロ五輪の引き継ぎ式では、日本の歴代メダリストや東京の名所、マンガ、ゲームのキャラクターが次々に登場する映像が場内に流され、最後は『スーパーマリオブラザーズ』のマリオに扮した安倍晋三首相が土管から登場する演出で東京をアピールした。
2020年東京五輪の開会式と閉会式は、パラリンピックの開会式、閉会式と合わせた4部構成になることが決まっている。演出を総合統括するのは狂言師の野村萬斎。五輪統括には映画『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』などで知られる山崎貴監督が就き、「東京五輪・パラリンピック総合チーム」には、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックで引き継ぎ式の制作にも携わった歌手の椎名林檎や、「Perfume」(パフューム)の振り付けを手がけることでも知られる演出振付家のMIKIKOらが名を連ねている。
野村萬斎が総合統括するだけに、日本の伝統芸能を盛り込む可能性もある。山崎監督が手がける最新の映像技術や椎名林檎がつくり出す音楽がどのように彩りを添えるのかにも関心が集まる。
開会式では演出面に加え、聖火リレーの最終ランナーが誰になるのかというのも注目ポイントだ。聖火は2020年3月12日にギリシャのオリンピア市で採火され、ギリシャ国内をリレーしたあと、3月20日に宮城県の航空自衛隊松島基地に到着する。その後、2011年の東日本大震災で被災した宮城県、岩手県、福島県で「復興の火」として展示される。
3月26日に聖火リレーは福島県をスタートして日本全国を巡り、最後に東京に到着。最終ランナーは過去のメダリストが務めるケースが多いのだが、東京五輪では誰が、どのような演出のもとで聖火台に火をともすのだろうか。