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射撃競技の起源| 最古の大会は500年以上前

1 By 渡辺文重
リオデジャネイロ五輪では欧州、アジア、アメリカ、オセアニアと、さまざまな国が表彰台に上がった

近世に発明された銃を用いた競技・射撃は、陸上競技に次いで、数多くの国と地域がオリンピックに参加する競技となっており、メダルを獲得する国と地域も多彩だ。そうした中、日本は1992年バルセロナ五輪を最後にメダルから遠ざかっており、競技団体はその原因を分析、競技普及に努めている。

■何から起こった?いつから競技化?

オリンピックなどで行われる射撃競技は、いずれも銃を用いた種目となっている。銃に必要な火薬の発明には諸説あるが、銃の原型は中国で発明され、ヨーロッパで発達したとされている。実際、日本に伝わった最初の銃は1543年、ポルトガル人によって伝えられた。記録に残されている最も古い射撃大会は1477年、アイヒシュテット(現ドイツ連邦共和国バイエルン州)で開催。その内容は、200メートル先の標的を狙うものだった。なお、クレー射撃で使用する「散弾銃(ショットガン)」の起源は1600年代とされ、その後、鳥などの狩猟用に発達する。クレー射撃は文字通り、「素焼きの皿(クレー)」を射撃する競技だが、空中を移動するクレーは、生きた鳩を模したもので、競技の初期は、実際に生きた鳩を標的としていた。いずれにせよ、銃は19世紀、アメリカ大陸の開拓や世界各地で起きた戦乱により、兵器として洗練される。

スポーツとしての射撃も19世紀に発展する。1824年にスイスで射撃協会が設立されたのを皮切りに、1859年には英国ライフル協会が設立。1871年には軍主導で、全米ライフル協会(アメリカ合衆国)が設立された。そして1896年の第1回近代オリンピック・アテネ大会では、男子25mラピッドファイアーピストル、男子50mピストルのほか、現在は採用されていない数種目が行われた。またクレー射撃の男子トラップは、1900年の第2回パリ大会で行われている。そして1907年に、国際射撃連盟(ISSF)が設立。女子種目は、1968年のメキシコシティ大会から採用となる。

参考:射撃(埼玉で開催!Tokyo2020)

参考:Shooting(Encyclopaedia Britannica)

参考:The ISSF History(国際射撃連盟)

クレー射撃は、鳥の狩猟が起源となっている
クレー射撃は、鳥の狩猟が起源となっている

■強豪国とその背景は?

射撃は、近世以降に発明された銃を扱う“近代スポーツ”ということもあり、文化や風土の違いによる参加率の差が少なく、オリンピックでは陸上競技に次いで参加する国・地域が多い。加えて、さまざまな国と地域にメダル獲得のチャンスがあると言える。リオデジャネイロ五輪でメダルを獲得した国・地域は、中国、韓国、北朝鮮、ベトナム、クウェート(独立参加選手団)、米国、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、クロアチア、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、イタリア、ロシア、スウェーデン、ウクライナ。Tokyo 2020(東京五輪)でも、多くの国と地域にチャンスがあるだろう。

一方、日本が射撃競技でメダルを獲得した回数は6回(5人)。1992年のバルセロナ五輪の木場良平 (男子50mライフル3姿勢・銅)、渡辺和三(男子トラップ・銀)が最後となっている。こうした背景には、しばしば銃規制があるとされる。しかし銃社会の米国にも銃規制はあり、銃規制だけが原因ではないと、日本クレー射撃協会(JCSA)は分析している。

JCSAによれば、日本におけるクレー射撃種目の競技人口は12万人で、ライフル種目は約6500人、ピストル種目は600人弱。日本ライフル射撃協会(NRAJ)も、ビームライフル(非五輪種目)を含めた競技人口を約1万人としている。それに対して、世界の競技人口は約500万人。競技人口の多い国ほどメダル獲得数が多い傾向にあるとされるが、国別のクレー射撃競技人口を比較すると、日本と他国との差は意外と少ない。

そうした中、JCSAは欧米と日本の射撃事情の違いについて「射撃場が身近かどうか」があるとしている。日本には、JCSA公認射撃場が70カ所あるものの、米国ほどの余裕はないようだ。

参考:オリンピック正式種目「クレー射撃」とは?(JCSA)

参考:競技について(NRAJ)

■どんなリーグや大会がある?

日本では、日本クレー射撃協会(JCSA)と日本ライフル射撃協会(NRAJ)がそれぞれ統括団体となっているが、国際的にはクレー射撃・ライフル射撃とも、国際射撃連盟(ISSF)が競技を統括。ISSFは年に数回開催されるワールドカップのほか、4年に一度開催される世界選手権を主催している。またISSFは世界ランキングを認定しているため、より高いポイントが与えられる大会が重要となる。

参考:WORLD RANKING(ISSF)

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