全日本大学駅伝が11月3日に開催。連覇を狙う青山学院大学、初出場の東京国際大学など注目校による熱戦に注目!

出雲駅伝優勝の國學院大學も戴冠に名乗り

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
熱田神宮前からスタートし、伊勢神宮でゴールとなる全日本大学駅伝(写真は2018年大会/時事)

「出雲駅伝」「箱根駅伝」とともに「大学三大駅伝」として高い注目度を誇る「全日本大学駅伝」だ。2018年は青山学院大学の優勝で幕を閉じたように、近年は関東勢の強さが際立っている。出雲駅伝優勝の國學院大學、箱根駅伝予選会トップの東京国際大学の走りも見逃せない。

ゴールは伊勢神宮。最長距離の第8区が見どころ

1970年から毎年11月の第一日曜日に行われている「全日本大学駅伝」は、「全国の大学が出場できる、真の日本一を決める大会を」という目的で企画された。正式名称は「全日本大学駅伝対校選手権大会」だ。

選手たちは名古屋市の熱田神宮を出発し、三重県の伊勢神宮までの8区間106.8キロを疾走する。コースは平坦な道ではあるが、短い区間と長い区間が混在しているという難しさがある。最終第8区が19.7キロの最長区間となるため、持久力が勝負のカギを握るレースだ。

出場権を持つのは全27校。そのうち8チームは前大会で8位以内となったチームで、2019年は青山学院大学、東海大学、東洋大学、駒澤大学、帝京大学、國學院大學、法政大学、城西大学が対象。加えて、北海道1、東北1、関東7、北信越1、東海2、関西3、中国四国1、九州1という枠が設けられており、各地区で選ばれた17チームも参加する。オープン参加の日本学連選抜チーム(東海を除く全国7地区学連および日本学生陸上競技連合による選抜)、東海学連選抜チームの計2チームもレースを盛り上げる。初出場となる東京国際大学、環太平洋大学の2校にも注目だ。

一週早く10月27日には全国大学女子駅伝も開催され、仙台市内を駆け抜けるこのレースでは、名城大学が2時間4分34秒で3年連続4度目の優勝を果たした。

2018年の優勝校は青山学院大で、近年は関東勢の強さが目立つ

第50回記念大会となった2018年は、青山学院大が5時間13分11秒で駆け抜け、2大会ぶり2度目となる優勝を飾って幕を閉じた。さらに2選手が区間賞を獲得。箱根駅伝では東海大に競り負けて悔しい2位に終わったが、青山学院大は出雲駅伝も制し、三大駅伝のうちの2冠に輝いた。

2位には7区の途中までトップに立っていた東海大学、3位には5区以降に圧巻の追い上げを見せた東洋大学が入った。3大会連続で1位から15位は関東勢が独占と、あらためてその強さが浮き彫りとなっている。一方でオープン参加となった日本学連選抜チームも1区の選手が区間賞を獲得し、前半ではトップ集団に食い込むなど奮闘を見せた。

2017年の第49回大会では、ダークホース的存在だった神奈川大学が20年ぶり3度目の優勝。すべての区間で選手たちが安定して上位をキープしたことが、勝利につながった。2位には東海大、3位に青山学院大、4位に駒澤大と上位陣は常連校の名前が並んだ。また、2016年の第48回大会では青山学院大が頂点に、2位に早稲田大学、3位に山梨学院大学、4位に駒澤大、5位に中央学院大学という顔ぶれだった。

これまでの同大会の歴史のなかで、最多出場を誇るのは京都産業大学だ。今回の出場が47回目となる。また最多優勝回数記録を持つのは12回の駒澤大で、過去には4連覇を達成した時代もあった。同じく4連覇の経験を持つのは駒澤大のほか、早稲田大、大東文化大学となっている。

出雲優勝の國學院大、箱根予選会1位の東京国際大に注目

2019年10月14日の「出雲駅伝」で頂点に立ったのは、國學院大だった。大学三大駅伝で初優勝を果たして波に乗る同校は、前田康弘監督も「全日本、箱根では出雲駅伝の優勝チームとして上の順位をめざしたい」と意気込みを新たにしており、上位に食い込んでくることが予想される。出雲では3区を走った4年生エースの浦野雄平が並み居るライバルを押しのけ区間賞を獲得すると、主将を務める4年生の土方英和(ひじかた・ひでかず)がアンカーとして37秒差の大逆転に成功。中心的存在である2選手の活躍により、チームの士気はさらに高まっている。

10月26日の箱根駅伝予選会で1位突破し、3年連続4回目の本戦出場を決めた東京国際大の健闘も見込まれる。なかでも、2019年7月のユニバーシアードのハーフマラソンで3位となった4年の伊藤達彦に注目だ。予選会では1時間2分34秒で日本人1位、全体で5位という改装でチームを引っ張った。9月の日本インカレ5000メートルを制したケニア人1年生のイェゴン・ビンセント・キベット、全体3位に入るなど好調をキープしている。

また、予選会を4位で通過して2年連続61回目となる本戦出場を決めた明治大は、長距離を得意とする切り札の4年生三輪軌道(みわ・のりみち)が全日本大学駅伝を見据えて、予選会を欠場するなど気合十分。三輪のほかにも予選会では主力となる4年生を数名欠いた状態で臨んだが、安定したレース運びで本戦出場権を獲得し、層の厚さを見せつけた。

全日本連覇を狙う青山学院大は出雲駅伝では5位に終わったが、チームに新しい風が吹き始めている。2018年の優勝メンバーに加え、三大駅伝未経験の3年生松葉慶太と1年生の中村唯翔(ゆいと)がメンバー入りを果たすなど、新戦力が台頭してきている。

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