長谷部誠や大迫勇也など、多くの日本人選手がプレーするドイツ・ブンデスリーガの再開日はいつになるのか?複数の選手が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性と診断されている。感染範囲が急速に広がる中、再開されないシナリオも考えられる。混沌とする現在の状況を解説する。
ブンデスリーガは5月に再開予定
ブンデスリーガは、3月6日から8日に開催された第25節を最後に中断されている。ドイツサッカーリーグ機構(DFL) は3月31日、ブンデスリーガとブンデスリーガ2を、少なくとも4月30日まで中断することを決定。再開後は無観客により、試合が実施される。
ドイツの新型コロナウイルスによる被害は、同じヨーロッパのイタリアやフランスなどと比較し小さく、致死率も高くない。そのような状況の中、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と連邦州の政府首脳は現地時間5月5日、5月後半からのブンデスリーガ再開を承認した。ブンデスリーガは5月16日から再開される。なお日程は第26節から順番に実施し、最終節は、6月27日と28日に予定されている。
再開できた場合の日程消化はどうなる?
仮にブンデスリーガを再開できたとしても、短期間で残りのリーグ戦全日程を消化するのは極めて困難だ。そのため、最後まで消化できないなら現在の順位で確定させるしかないという意見も出始めている。
再開できなかった場合の気になるシナリオ
優勝チームはどう決まる?
もし仮に現在の順位でシーズンが終了したら、現在首位のバイエルン・ミュンヘンが8連覇で29回目の優勝を飾ることとなる。しかし、2位ドルトムントとの勝ち点差は4で、仮に最終節まで試合を消化した場合は逆転可能の数字といえる。
CLやELへの出場資格は?
現在の順位で終了した場合、来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を得られるのは上位4チーム。3位RBライプツィヒ、4位ボルシア・メンヘングラードバッハと続く。また、ヨーロッパリーグ(EL)の出場権は5位レヴァークーゼンと6位シャルケが獲得することになる。なお、EL出場枠の3枠目はカップ戦優勝チームに与えられるが、リーグ戦が再開しないとカップ戦も再開されない可能性が高い。現時点ではブンデスリーガ7位にはヴォルフスブルクがつけている。
昇格・降格はどうなる?
ブンデスリーガから2部に相当するブンデスリーガ2に降格する2チームは、17位ブレーメンと18位パーダーボルンとなる。ただし、このまま今シーズンのリーグが終了となった場合、レギュレーションの見直しなどが行われる可能性がある。
チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグへの影響
欧州サッカー連盟はCL決勝トーナメント1回戦全4試合に加え、EL決勝トーナメント2回戦ファーストレグ2試合とセカンドレグ8試合の順延が決まっている。UEFAは、CLとELの無期限延期を決定しており、先行きは不透明のままだ。
2020-21シーズンに及ぼす影響
仮にリーグ戦を最終節まで行う場合、6月や7月も試合を行うことになるが、2020年に予定されていたEUROやコパ・アメリカは1年延期となったため、選手を確保することは可能だ。しかし、仮にシーズン開幕が例年通り8月だとすると、各チームのフロントは、短期間でのチーム編成を余儀なくされる。次のシーズンを1部で戦うのか2部で戦うのか、CLに出るのかELに出るのか、それとも出ないのか。全てのチームに影響が出ることは間違いない。
リーグを再開するにしても終了するにしても、大きな影響が出ることに変わりはない。