錦織圭がバルセロナ・オープンで、大坂なおみがポルシェ・グランプリでともにベスト4進出を果たし、再び熱気が高まりつつある日本テニス界。5月末の全仏オープンまで続くクレーシーズンは中盤へ差し掛かり、5月3日にはマドリード・オープンが開幕した。
マドリード・オープンは男女共催のトーナメントで、男子はマスターズ1000、女子ではプレミア・マンダトリーという四大大会次ぐグレードの大会。開幕日の3日には女子の予選が始まり、4日に本戦がスタート。男子は4日に予選、5日に本戦が始まっている。
男子注目のポイント
この大会には世界ランク1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、同2位ラファエル・ナダル(スペイン)、同3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に加え、過去2年間クレーシーズンの大会出場を回避してきた世界ランク4位ロジャー・フェデラー(スイス)が参戦。フェデラーがクレーコートでどんなプレーを見せてくれるのかに注目が集まっている。
全仏オープン優勝11回と「クレーの王」として知られるナダルだが、今季はここまでその圧倒的な強さを見せられていない。モンテカルロ・マスターズ、バルセロナ・オープンはともに準決勝で敗れ、大会4連覇を逃した。母国スペイン最大の大会となるマドリード・オープンで本領発揮と行きたいところだろう。
世界ランク7位の錦織圭は、モンテカルロ・マスターズこそ初戦敗退となったものの、バルセロナ・オープンではベスト4まで勝ち進み、復調をアピールした。昨年は初戦でジョコビッチと対戦。ともに負傷からランキングを上げている途中だったが、ストレート負けを喫しているだけに、今年は上位進出を狙いたいところだろう。
錦織は2日にバルセロナでサッカー欧州チャンピオンズリーグ準決勝第1戦バルセロナ対リバプールを観戦。別競技の世界最高峰の戦いから刺激を受け、高いモチベーションでマドリードに乗り込んでくるだろう。
4日には男子シングルスの組み合わせが発表され、第6シードの錦織は2回戦から登場。初戦の対戦相手は、世界ランク28位ジル・シモン(フランス)と予選勝者による1回戦の勝者となることに決まった。
錦織は5日、フェデラーとともに練習を行い、6日以降に予定されている初戦に向けて調整を行った。
今大会はシングルス世界ランク8位のフアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)とペアを組み、男子ダブルスにもエントリーしている錦織。6日には男子ダブルス1回戦に臨み、ファビオ・フォニーニ(イタリア)/ロベルト・リンドステット(スウェーデン)組に逆転勝利を収め、2回戦進出を果たしたが、3回戦突破はならず。
錦織は8日に男子シングルス2回戦に登場。世界ランク109位のヒューゴ・デリエン(ボリビア)に苦しみながらもストレート勝ちを収め、3回戦進出を決めた。同日行われた男子シングルス2回戦にも出場した錦織/デルポトロ組は、第3シードのジェイミー・マリー(イギリス)/ブルーノ・スアレス(ブラジル)組に6-7 (5-7)、2-6で敗れ、2回戦敗退となった。
9日にシングルス3回戦で世界ランク34位のスタン・ワウリンカと対戦した錦織は、ストレート負けでベスト16敗退となった。錦織は12日に本戦がスタートするイタリア国際に出場する予定となっている。
女子注目のポイント
女子では世界ランク1位の大坂なおみが第1シードでエントリー。今季のクレー初戦となったポルシェ・グランプリではベスト4まで勝ち進んだが、準々決勝の激闘で腹部を痛め、準決勝は棄権した。本人は負傷が重くないことを強調したが、コンディションは気になるところだ。世界ランク21位として出場した昨年は、初戦で敗退している。
全豪オープン決勝で戦ったペトラ・クビトバ(チェコ)はポルシェ・グランプリを制し、大坂と136ポイント差の世界ランク2位に浮上。クビトバは昨年のマドリード・オープンで優勝しており、準優勝以下だと昨年の優勝時に獲得したポイントが失効するため、ランキングポイントは減る。3位シモナ・ハレプ(ルーマニア)とのポイント差は500ポイント近くあるため、今大会での首位交代の可能性はそこまで高くないが、大坂にとっては世界ランク1位死守へ向けて正念場の大会になりそうだ。
大会を前に、大坂はラファエル・ナダルの地元スペイン・マヨルカ島にある「ラファ・ナダル・アカデミー」で調整を行った。「クレーの王」を生んだ地で、大坂がクレーコートの戦い方を習得できたのか注目したい。
大坂は現地時間2日にマドリードへ到着。早速メインコートへと足を運び、練習を行った。
大坂は5日に行われた1回戦で世界ランク33位のドミニカ・チブルコバ(スロバキア)にストレート勝ち、7日に行われた2回戦では世界ランク75位のサラ・ソリベス・トルモ(スペイン)を下し、3回戦に駒を進めている。8日には3回戦で世界ランク33位のアリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)と対戦する。
3回戦で大坂は世界ランク33位アリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)に6-2、6-3で勝利し、ベスト8へと駒を進めた。
世界ランク18位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)と準々決勝で対戦した大阪は、勝利まであと1ゲームから逆転を許し、準決勝進出を逃す結果となった。大坂は13日に本戦が始まるイタリア国際に出場予定。
男子シングルス出場選手結果まとめ
錦織圭(世界ランク7位)
3回戦 vs スタン・ワウリンカ(スイス、世界ランキング34位) 3-6、6-7(3-7) 3回戦敗退
2回戦 vs ヒューゴ・デリエン(ボリビア、世界ランキング109位)7-5、7-5 3回戦進出
1回戦 シード
ダニエル太郎(世界ランク72位)
予選1回戦 vs アルベルト・ラモス=ビノラス(スペイン、世界ランク88位)6-3、3-6、(2)6-7 予選1回戦敗退
男子ダブルス出場選手結果まとめ
錦織圭/フアン・デルポトロ(アルゼンチン)組
2回戦 vs ジェイミー・マリー(イギリス)/ブルーノ・スアレス(ブラジル)組 6-7 (5-7)、2-6 2回戦敗退
1回戦 vs ファビオ・フォニーニ(イタリア)/ロベルト・リンドステット(スウェーデン)組 5-7、6-4、10-4 2回戦進出
マクラクラン勉/ヤンレナルト・シュトルフ(ドイツ)組
1回戦 vs ルカシュ・クボット(ポーランド)/マルセロ・メロ(ブラジル)組 5-7、7-5、6-10 1回戦敗退
女子シングルス出場選手結果まとめ
大坂なおみ(世界ランク1位)
準々決勝 vs ベリンダ・ベンチッチ(スイス、世界ランク18位) 6-3、2-6、5-7 準々決勝敗退
3回戦 vs アリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ、世界ランク33位)6-2、6-3 準々決勝進出
2回戦 vs サラ・ソリベス・トルモ(スペイン、世界ランク75位)7-6(5)、3-6、6-0 3回戦進出
1回戦 vs ドミニカ・チブルコバ(スロバキア、世界ランク33位)6-2、7-6(6) 2回戦進出
土居美咲(世界ランク101位)
予選1回戦 vs ジェシカ・ペグラ(米国、世界ランク78位)2-6、6-1、3-6 予選1回戦敗退
男女シングルス大会日程(欧州時間)
3日(金) 女子:予選
4日(土) 男子:予選、女子:予選・1回戦
5日(日) 男子:予選・1回戦、女子:1回戦
6日(月) 男子:1・2回戦、女子:2回戦
7日(火) 男子:1・2回戦、女子:2回戦
8日(水) 男子:2回戦、女子:3回戦
9日(木) 男子:3回戦、女子:準々決勝
10日(金) 男子:準々決勝、女子:準決勝
11日(土) 男子:準決勝、女子:決勝
12日(日) 男子:決勝