【テニス】ウィンブルドン大会は中止も視野に?無観客は大会のアイデンティティに反すると英国報道

2020年のウィンブルドンが開催危機に

新型コロナウイルスの感染拡大が問題になっていることを受け、6月下旬より開幕予定のウィンブルドン大会が中止になる可能性があるようだ。

ウィンブルドンを主催する『オールイングランド・クラブ』無観客での開催強行については難色を示しており、その場合は中止になることが濃厚とイギリス『デイリー・メール』が伝えている。

イギリスではこれまで、イタリア、フランス、スペインなどに比べて新型コロナウイルスの感染拡大スピードが遅かったため、サッカーのプレミアリーグについては、一時は無観客で続行する方針が示されていた。だがアーセナルの指揮官やチェルシーFWが陽性反応となると、状況が一変。リーグはすぐさま緊急会議を行い、4月3日まで予定されていた公式戦をすべて中断すると発表した。

その一方でテニス界についてはATP(男子プロテニス協会)が4月下旬まで予定されていた公式戦をすべて取りやめると発表。6月29日~7月12日に開催予定のウィンブルドン大会はまだ先となるが、記事では「無観客での実施について、ウィンブルドンが持つ社会的背景の側面から可能性はない」と指摘している。

ウィンブルドンはテニスの公式戦というだけでなく、英国における社交的な一大イベントでもあるため、無観客での実施は大会のアイデンティティに反するという。

イギリスでは現在1140名に陽性反応が出ており、うち21名が死亡している。ヨーロッパではイタリア、スペイン、ドイツ、フランス、スイスに次ぐ感染者の多さとなっているが、今後英国で行われるスポーツイベントはいつから通常通り実施が可能となるのか、不明瞭な状況だ。そのため、このまま感染拡大に歯止めがかからない場合、全英は無観客試合ではなく、中止となる可能性が高いようだ。

また、ウィンブルドン大会は東京五輪の直前に行われるグランドスラム大会でもあり、現在負傷離脱中のロジャー・フェデラー(スイス)もこの大会に向け照準を定めていると報じられていた。

新型コロナウイルスの影響で未曾有の事態となっているが、果たしてテニス界は今後どのようになるのだろうか。5月下旬開始の全仏オープン、6月下旬開始の全英オープンがそれぞれ開催となるのか、それとも中止となるのか、今後の判断が注目されるところだ。

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