写真: Marco Kost / Getty Images

東京2020 スポーツクライミング:知っておくべき5つのこと

世界のトップクライマーが2021年の東京2020に集結する。初代オリンピックチャンピオンになるのは誰か?競技はいつ、どこで行われるのか?ここでチェックしよう。
文: Lorena Encabo

スポーツクライミングは、2021年7月に開催される東京2020にお目見えする新競技のひとつだ。

しかしそれはどのようなもので、この競技の注目選手は誰なのか? 強さ、戦略、柔軟性、パワー、そして持久力が試されるスポーツクライミングの、これは東京2020決定版ガイドだ。

東京2020スポーツクライミングの注目選手

東京2020には計40名の選手が参加し、男女20名ずつが6つのメダルを目指して競い合う。

チェコ共和国のアダム・オンドラは、男子の有力選手の一人だ。彼は、世界で最難関のボルダリングルートと言われるノルウェーの「サイレンス」を制した世界で唯一のクライマーだ。

世界チャンピオンに5度輝いている27歳のオンドラは、リードとボルダリングのスペシャリストだが、スピードにはそれほど自信がないようだ。

フランス人のミカエルとバッサ・マエムは、兄弟対決を繰り広げる。ミカエルは8月に開催された2019年クライミング世界選手権で7位に入賞して先に予選を通過。バッサは11月下旬に開催されたオリンピック予選で出場権を手に入れた。

スペインのクライミング界のホープ、アルベルト・ヒネスは今種目の最年少選手の一人だ。平地のエクストレマドゥーラ出身の彼は、 Olympic Channel との独占インタビューで「サハラ砂漠出身のサーファーが成功するようなもの 」だと語っている。

また、“キャプテン・アメリカ”ことナサニエル・コールマンも注目選手の一人。彼はアメリカの男子クライマーで最初にオリンピック出場権を獲得した。

ホスト国である日本は、男子では世界チャンピオンの原田海と世界大会で3度メダルを獲得している楢崎智亜が、女子では野中生萌野口啓代が表彰台を目指す。

女子クライマーで注目は、スロベニアのヤンヤ・ガンブレットだ。6度の世界チャンピオンに輝いた彼女は、世界トップクラスのクライマーで、「壁の上にいるときは、他のことはどうでもよくなるのです」と2019年のインタビューで語っている。

彼女のライバルの一人は、イギリスで最も成功している競技クライマーのショーナ・コクシーだ。彼女は、3番目に難しい格付けである8B+のボルダールートを制覇した4人の女性のうちの1人だ。

2020年のオリンピックデーのホームワークアウトで紹介された2016年のボルダリング世界チャンピオン、ペトラ・クリンガーは、スイスを代表してこの競技のオリンピックデビューに臨む。

もう一人注目すべきは、イタリアのラウラ・ロゴラだ。19歳の彼女は、17歳で出場した2019年の欧州選手権で準優勝し、国際大会で初めてメダルを獲得した。

東京2020でのスポーツクライミング日程

スポーツクライミングは、2021年8月3日から6日まで行われる。

時間はすべて日本標準時 (UTC / GMT +9時間)

8月3日(火)、 17:00 - 22:40

  • 男子複合予選 - スピード
  • 男子複合予選 - ボルダリング
  • 男子複合予選 - リード

8月4日(水)、17:00 - 22:40

  • 女子複合予選 - スピード
  • 女子複合予選 - ボルダリング
  • 女子複合予選 - リード

8月5日(木)、 17:30 - 22:20

  • 男子複合決勝 - スピード
  • 男子複合決勝 - ボルダリング
  • 男子複合決勝 - リード
  • 男子複合表彰式

8月6日(金)、17:30 - 22:20

  • 女子複合決勝 - スピード
  • 女子複合決勝 - ボルダリング
  • 女子複合決勝 - リード
  • 女子複合表彰式

東京2020でのスポーツクライミング会場

オリンピック初登場のスポーツクライミングは、バスケットボール3X3と同じ青海アーバンスポーツパークで行われる。ここは青海地区のウォーターフロントに位置する特設会場で、選手村にも近い。

東京2020でのスポーツクライミング競技フォーマット

この競技では、3つの異なる種目が行われる。「スピード」、「ボルダリング」、「リード」の3つの種目を組み合わせて、1つのメダルを獲得する。選手はすべての種目に出場し、各種目の順位を掛け合わせて、最も低いスコアを出した選手がメダル獲得者となる。例えば、3つの種目でそれぞれ1位、2位、3位になった選手のスコアは6点となる。

これは、クライマーが3つの種目を別々に競うワールドカップの大会とは異なる形式だ。

強さ、戦略、柔軟性、パワー、持久力、そして肉体的・精神的スキルを絶妙に組み合わせることが、史上初のオリンピックチャンピオンになるための鍵となる。

すべての種目はクライミングではあるが、その内容は全く異なる。ここで簡単に各種目の概要を紹介しよう:

スピード

クライマーは高さ15メートル、角度95度の壁を登る。

2人の選手が同じルートで壁を登り、頂上に到達するまでのタイムを競う。現在の世界記録は、男子が5.63秒、女子が6.96秒だ。

ボルダリング

ボルダリングは、4.5mの壁に向かって、安全ロープを使わずに登る競技。各選手は4分間で設定されたルートをできるだけ多く登るが、事前に練習をすることはできない。最上部にあるホールドを両手で掴むことができたら、そのルートを完走したことになる。この種目では、クライマーはすべての動きを慎重に計画しなければならないため、戦略、パワー、柔軟性が非常に重要になる。

リード

クライマーは安全ロープに繋がれ、6分間で15mの壁を登る。クライマーが自分のロープを一番上のホールドに取り付ければ、その時点で完登となる。一番高いホールドに同点で並んだ選手は、タイムで順位が決まる。

オリンピック競技としての歴史

スポーツクライミングは、2018年にブエノスアイレスで開催されたユースオリンピックで初めて取り入れられ、成功を収めた。

2016年の第129回IOC総会で、2020年のオリンピック競技大会の実施種目に採用されることが決定した。