北京2022オリンピック冬季競技大会の開幕まであと1年。ウインタースポーツを愛する世界中のアスリートやファンの間では、早くも期待が高まりつつある。
2022年2月4日から20日にかけて、ウインタースポーツの精鋭たちが中国の首都と張家口に集結し、計109個の金メダルを懸けて熱き戦いを繰り広げる。
大会へのカウントダウンが進む中、知っておきたい情報をご紹介しよう。
北京2022実施競技
北京2022オリンピック冬季競技大会では、7競技の以下15競技が行われる:バイアスロン、ボブスレー(スケルトンを含む)、カーリング、アイスホッケー、リュージュ、スケート競技(フィギュアスケート、ショートトラック、スピードスケート)を含む)、スキー競技(アルペンスキー、クロスカントリースキー、フリースタイルスキー、ノルディックスキー・コンバインド、スキージャンプ、スノーボードを含む)。
成績優秀者に授与されるメダルの数は、平昌2018より7つ多い計109セット。ボブスレー、ショートトラック、フリースタイルスキー、スキージャンプ、スノーボードでは新種目が追加される。
リレハンメル2016とローザンヌ2020のユースオリンピック冬季競技大会で成功を収め、オリンピックに初めて採用されることが決まった女子モノボブ(1人乗りのボブスレー)もその一つだ。他には男女フリースタイルスキービッグエア、フリースタイルスキーエアリアル混合団体、スキージャンプ混合団体、スノーボードクロス混合団体、ショートトラック混合リレーが加わる。
北京2022は出場選手の男女比率が最も均等に近い冬季オリンピックとなる見込みで、女子選手の参加比率は平昌2018の41%から45%以上に増加する。
北京2022注目のスター
オリンピックという大舞台にふさわしく、北京2022にはスターが多数出場する。地元中国で期待を集めるのは、FISフリースタイルスキーワールドカップで優勝3回、さらにローザンヌ2020で2冠を達成したフリースタイルスキーのグ・アイリン・アイリーン。ショートトラックのメンバーにも実力者が揃っており、男子500m世界記録保持者のウー・ダージンはオリンピック王者でもある。
一方、バイアスロンではノルウェー勢の強さが突出している。20km王者ヨハンネス・ティングネス・ベー は、引退したフランスのライバルで、オリンピック通算5個の金メダルを持つレジェンド、マルタン・フールカデに続く連覇を狙う。
平昌2018への参加を見送ったナショナルホッケーリーグの選手たちも、同リーグと選手会の交渉で一部合意に達した結果、北京2022には出場できる見通しとなっている。 NHL所属選手の参加について、国際アイスホッケー連盟とIOCの間でまだ最終的な合意に至っていないものの、世界トップクラスの選手たちによる熱戦を期待できそうだ。オリンピック王座の奪還を狙うカナダに対し、アメリカは1980年以来となる優勝を目指す。
フィギュアスケートは今大会でも、世界中から最も熱い視線を集める競技になるだろう。男子シングルでは、羽生結弦が1928年以来となる3冠獲得に挑戦。最大のライバルとして立ちはだかるのは、世界選手権2連覇のネイサン・チェンだ。
北京2022で最も注目すべきアルペンスキーヤーと言えば、やはりミカエラ・シフリンの名前を挙げておきたい。インゲマル・ステンマルクが持つワールドカップ通算86勝の最多記録を狙うシフリンは、ソチ2014と平昌2018に続く金メダル獲得へ意気込んでいる。
同じアメリカのクロエ・キムも、スノーボードでオリンピック史上最年少の金メダルに輝いた平昌2018に続き、ハーフパイプの王座防衛に挑む。
北京2022競技会場
ホストシティは北京だが、各競技は北京、北京北西に位置する延慶、北京から約200km離れた張家口の3エリアで実施される。北京から張家口まで、高速鉄道を使えば1時間で移動可能だ。
開会式と閉会式は、北京2008オリンピック夏季競技大会のメインスタジアムとして使用され、「鳥の巣」の通称で知られる北京国家体育場で行われる。また、北京はすべての氷上競技の会場となり、同じく2008年大会で使われた北京国家水泳センター(ウォーターキューブ)は改装されてカーリング会場に。フィギュアスケートとショートトラックは首都体育館で、アイスホッケーは国家体育館と五棵松体育館で行われる。
スピードスケートは新設された国家速滑館で行われ、スノーボードとフリースタイルスキーのビッグエアは北京西部に会場が設置される。
一方、アルペンスキーとそり競技は延慶の小海坨山で、その他の雪上競技は河北省の張家口で行われる。
北京2022日程
開会式は2022年2月4日、閉会式は2022年2月20日に開かれ、競技は開会式2日前のカーリング予選からスタートする。
北京2022オリンピックマスコットとエンブレム
北京2022オリンピック冬季競技大会の公式マスコットは「ビンドゥンドゥン」(冰墩墩)と名付けられたパンダ。
「ビン」は中国語で「氷」を意味し、純粋さと強さを象徴。「ドゥンドゥン」は子供たちを表している。アスリートの力強さと強靭な意志を具現化したこのマスコットは、オリンピック精神の普及に一役買ってくれる予定だ。
エンブレムのモチーフになったのは、漢字の「冬」。上部はスケート選手、下部はスキー選手が表現され、中央には中国の壮大な山並み、オリンピック会場、ゲレンデ、スケートリンクのイメージが重ねられた。