自転車競技・BMXレーシングの起源と歴史|オリンピック競技の起源

文: 渡辺文重

BMXはMTB(マウンテンバイク)と同じく、1970年代のアメリカ合衆国カリフォルニア州にルーツを求められる。このスリリングな競技は米国に限らず、欧州、豪州、アジアでも人気となるが、その普及には、スティーブン・スピルバーグ監督による大ヒット映画も関わっているとされる。

リオデジャネイロ五輪では、マリアナ・パホン(コロンビア)が大会連覇を達成。男子は、コナー・フィールズが米国初の金メダルをもたらした

■何から起こった?いつから競技化?

BMXはバイシクル・モトクロス(Bicycle Motocross)の略称で、「モトクロス(MX)の自転車版」といった意味になる。モトクロスは、オフロード用オートバイ「モトクロッサー」を使ったレースのことなので、BMXレーシングは、その自転車版という位置付けだ。

BMXの起源は、1960年代後半のアメリカ合衆国カリフォルニア州、当時の子供たちが、人気競技だったモトクロスを自転車でまねたことだとされる。中でも、モトクロスレーサーだったスコット・ブライトハウプト(米国)が、重要な役割を果たす。1970年代初頭、世界初のBMX統括団体「United Motocross Society(B.U.M.S)」を設立。ルールの整備やプロモーションを行い、1972年に第1回カリフォルニア州選手権を開催する。これが世界初のBMXレーシングの大会とされる。

この時点でフリースタイル種目は存在せず、本家モトクロスレース同様に、アップダウンの激しいダートコースでの純粋なレースとして行われた。

BMXは1978年までに、ヨーロッパへ進出。1981年4月には国際BMX連盟(I.BMX.F)が設立され、1982年に最初の世界選手権が開催された。また、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「E.T.」(1982年公開)で、主人公の少年たちが乗っていたBMXが重要な役割を果たしたことも、普及に大きく貢献したとされる。月夜を背景にE.T.をカゴに載せた主人公のBMXが宙空を舞う名シーンはつとに有名だ。

1993年1月からは、国際自転車競技連合(UCI)と国際BMX連盟が統合を開始。オリンピックにおいては、2008年の北京大会より、正式採用されている。

日本では1984年10月、各地に分かれていた競技団体が一本化される形で、全日本BMX連盟(JBMXF)が設立。1985年8月に北海道白糠町で第1回全日本選手権大会が開催された。

参考:About BMX Racing(UCI)

参考:一般社団法人全日本BMX連盟概要(JBMXF)

■強豪国とその背景は?

UCIによる世界ランキング(2020年5月時点)は以下の通り。

BMX Men Elite Ranking

  1. オランダ
  2. フランス
  3. 米国
  4. コロンビア
  5. スイス
  6. イギリス
  7. オーストラリア
  8. アルゼンチン
  9. ブラジル
  10. エクアドル

※日本は14位

BMX Women Elite Ranking

  1. 米国
  2. オランダ
  3. オーストラリア
  4. フランス
  5. ロシア
  6. コロンビア
  7. ブラジル
  8. デンマーク
  9. カナダ
  10. ニュージーランド
  11. 日本

参考:BMX Racing Rankings - Union Cycliste Internationale(UCI)

ロードやトラックでは、ヨーロッパ勢が上位を独占しているが、BMXレーシングでは、“母国”である米国や、ロードでも存在感を発揮するコロンビア、さらにブラジルやオーストラリアといった国も上位に食い込んでいる。ジュニアクラスでは、これらに国に加えてタイやインドネシアといったアジアの国も上位にランクイン。比較的新しい種目ということもあり、今後の勢力図は未確定だ。

■どんなリーグや大会がある?

2019年は、7月にフースデン=ゾルデル(ベルギー)で世界選手権を開催。世界選手権は毎年1回開かれ、世界王者(マイヨ・アルカンシエル)を決定する。また4月から9月にかけ、世界5都市で2回ずつ、10回のBMXスーパークロス・ワールドカップを開催している。これらがUCI主催の主な大会となる。日本では、年に1回開催される全日本選手権自転車競技大会、年に5回ほど開催されるJBMXFシリーズが、主な大会と言える。