自転車競技・BMXフリースタイルの起源と歴史|オリンピック競技の起源

文: 渡辺文重

1960年代のアメリカ合衆国(米国)カルフォルニア州、当時の子供たちによる自転車でのMX(オートバイのモトクロス)ごっこがB(バイシクル)MXの起源だとされる。BMXフリースタイルは、BMXレーシングの合間の“遊び”が発展したものだが、これが今度はフリースタイルモトクロスに影響を与えることになる。

日本のBMXフリースタイルをけん引する中村輪夢

■何から起こった?いつから競技化?

BMXはバイシクル・モトクロス(Bicycle Motocross)の略称で、「モトクロス(MX)の自転車版」という位置付けだ。そのルーツは、1960年代後半の米国カルフォルニア州。当時の子供たちが、自転車でモトクロスをまねたことだとされる。そして「BMXフリースタイル」という競技の歴史は1980年代初頭、BMXの大会でレーサーたちが、ジャンプ中に決める“トリック(技)”の披露したことから始まる。

BMX界のゴッドファーザーとされるのが、ボブ・ハロ(米国)だ。ハロは、全米でデモンストレーションを披露。スティーブン・スピルバーグの映画「E.T.」では、BMXスタントも務めた。そして1990年代には、BMXによるトリックを、本家モトクロスで再現する逆輸入的な試みとして、フリースタイルモトクロス(FMX)がスタートする。

BMXフリースタイルとは実は総称であり、五輪種目となったパークだけではなく、フラットランド、ストリート、ビッグエア、トレイルなど、さまざまな種目が存在する。パークは、スケートボードが行われる「スケートパーク」でトリックを行ったことが起源となっている。種目としてのパークは、2016年より国際自転車競技連合(UCI)の管轄となり、フランス、クロアチア、米国、カナダ、中国でワールドカップを開催。そしてTokyo 2020(東京五輪)より、オリンピックの正式種目に含まれることとなる。

参考:History of BMX Freestyle(UCI)

参考:About BMX(JFBF)

参考:BMXフリースタイル【BMXの基礎知識 Part 4】(RedBull)

■強豪国とその背景は?

UCIによるBMXフリースタイルの国・地域別ランキングは以下の通り。

BMX Freestyle Park Men Elite Ranking

  1. オーストラリア
  2. 米国
  3. ロシア
  4. イギリス
  5. 日本
  6. ベネズエラ
  7. フランス
  8. メキシコ
  9. コスタリカ
  10. クロアチア

BMX Freestyle Park Women Elite Ranking

  1. 米国
  2. ドイツ
  3. イギリス
  4. スイス
  5. チリ
  6. ロシア
  7. フランス
  8. オーストラリア
  9. 日本
  10. スペイン

ロードやトラックといった伝統的な種目では、ヨーロッパ勢が上位を独占しているが、BMXはレーシング、フリースタイルともに、米国や豪州、中南米諸国、そして日本が存在感を発揮している。こうした背景には、競技人数が影響している。例えば、トラックの男子スプリントは708名、同女子は357名、ロードは男子が3315名、女子は1067名が、UCIの個人ランキングに名を連ねている。対してBMXフリースタイルは、男子が276名で、女子は92名。トップエリートの存在が、ランキングに大きな影響を与えている。例えば日本(男子)は、個人世界ランキング4位の中村輪夢という存在が、世界5位へと押し上げていると評しても過言ではない。

世界的にも10代前半から20代前半の選手が活躍しており、これもまたスケートボード同様、アーバン(都市型)スポーツの特徴となっている。

参考:BMX Freestyle Rankings - Union Cycliste Internationale(UCI)

■どんなリーグや大会がある?

毎年1回される世界選手権、年数回開催されるワールドカップが、UCIにおける主要な大会となる。しかし、BMXフリースタイルを語る上で欠かせないのは、「エックスゲームズ(X Games)」の存在だ。エックスゲームズは、夏と冬に開催されるエクストリームスポーツの祭典で、BMXフリースタイルは夏の種目として、パークのほかビッグエアなどが行われている。

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