池江璃花子:東京オリンピック2020で「池江無双」の再現なるか

池江璃花子

2018年アジア競技大会で史上初の金メダル6個を獲得した「池江無双」ぶりで、世界にその名をとどろかせた池江璃花子。しかもタイムは大会新記録の連発。出場8種目のすべてで、メダルにつなげるという快挙につぐ快挙で、まさに独り舞台だった。2016年リオデジャネイロ五輪でオリンピックデビューを果たし、その後、肉体とメンタルに磨きをかけてきた池江璃花子。2020年東京五輪で、池江が大暴れすることに熱い期待が寄せられている。

アジア大会で6冠の快挙に世界が称賛

池江が世界を驚かせた2018年8月のジャカルタ・アジア大会。出場した8種目のうち、50メートル自由形、100メートル自由形、50メートルバタフライ、100メートルバタフライ、400メートルフリーリレー、400メートルメドレーリレーの6種目で金メダルを獲得した。しかも、4種目で大会新記録、2種目で日本新記録。日本人初となるアジア大会6冠を達成したことに対して大会MVPが贈られた。しかも、残る2種目の800メートルフリーリレーと混合400メートルメドレーリレーでも大会新を記録した。この偉業に世界は驚嘆し、池江のSNSには世界中から称賛の声が寄せられた。

その直前に行われた東京・パンパシフィック水泳大会でも8種目に出場していた。100メートルバタフライで金、200メートル自由形と混合400メートルメドレーリレーで銀、400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得した。つまり、池江はパンパシの疲れを見せることなく、アジア大会で結果を出したことになる。

この2大会以外に2015~2017年の国際大会で手にしたメダルは、世界ジュニア選手権で11個(金5銀2銅4)、世界短水路選手権で銅3個。2018年9月現在で21の日本記録を所持している。2016年リオデジャネイロ五輪には7種目での出場となった。

2018年アジア大会の100mバタフライで金メダルを獲得した池江璃花子

「新記録」と「史上初」の山

2000年7月4日、東京都江戸川区生まれ。兄と姉の影響で3歳から水泳を始め、5歳ですでに全泳法をマスターしていた。地元のスイミングスクールに通って練習に励み、全国レベルの大会で入賞を重ね、中学記録を次々と更新した。同い年で2016リオデジャネイロ五輪にも出場した競泳の今井月選手は親友にして戦友だ。

ダイナミックなストロークながら、水しぶきの少ない柔らかな泳ぎは、コーチに教わったものではなく、自己流で磨いてきた技術だそうだ。また池江はメンタルの強さに定評がある。幼いころから眠る前に、大会に臨む一部始終をイメージするトレーニングを、欠かさなかったことで身に付いたとされている。「願い続けたことは、必ず実現する」だから、最高の自分をイメージし続ける。そうして池江は、大舞台でもプレッシャーを感じることなく、自らに注がれる多くの人の視線を、力に変える強さを手に入れたのだろう。

2015年、中学3年のときに、ワールドカップ東京大会の100メートルバタフライで、日本新記録での優勝、100メートル自由形でも優勝。ここから池江の快進撃は始まる。この年は3種目の日本記録保持者となった。その池江を語る上で、キーワードをふたつ挙げるとするならば、ひとつは「新記録」、もうひとつが「史上初」ではないだろうか。

2016年4月に淑徳巣鴨高校に進学。直後に行われたリオ五輪代表選考会となる日本選手権の大会初日100メートルバタフライで、自身の持つ日本記録を0秒01縮めて新記録を更新。100メートル、200メートル自由形では高校新記録をマークした。これらの活躍と将来性が認められ、史上最多7種目(100メートルバタフライ、50メートル・100メートル・200メートル自由形、400メートル・800メートルリレー、400メートルメドレーリレー)で五輪出場の切符を得ることになる。

リオでのメダル獲得はならなかった。しかし、100メートルバタフライでは、予選と決勝で3度も日本記録を更新し、日本新記録を樹立した。帰国の翌日に行われた広島・全国高校総体(インターハイ)では、五輪の疲れをものともせず、50メートル自由形で優勝、大会新記録をマーク。さらに800メートルリレーで優勝に貢献、大会新記録樹立という怪物ぶりを発揮した。高校1年生ながら、9種目で日本記録を保持することとなった。

そして、高校2年の日本選手権では、女子選手として初の大会5冠(50メートル・100メートルバタフライ、50メートル・100メートル・200メートル自由形)を達成。高校3年では、先述のアジア大会で日本人初となるアジア競技大会6冠を成し遂げた。まさに「新記録」と「史上初」だらけの足跡だ。

その実績をたたき出してきたボディは、現在、身長171センチに対し186センチのリーチを誇る。これは欧米の外国人選手並みで、そこから生まれる大きなストロークが、水の抵抗の少ない泳ぎを可能にしている。

池江璃花子

五輪で「池江無双」を

池江は2019年4月から日本大学に進学する。日大水泳部は「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた古橋広之進・元日本水泳連盟会長らが輩出した名門だ。入学後も現在、指導を受けている三木二郎コーチのもとで、練習を続けていく予定だ。

1972年のミュンヘン五輪で、日本人として100メートルバタフライで金メダルを獲得し、世界に衝撃を与えたレジェンドスイマー、青木まゆみ(現姓・西口)氏は10月、スポーツ紙の取材を通じて、自分自身と同じ種目の池江選手にエールを送った。この報道を知った池江はツイッターで「感動しました。プレッシャーを感じすぎず、常に初心を忘れず、自分の気持ちを信じて、沢山の方達の思いを背負って、歴史に名が残る人になれるよう頑張ります」と意気込みを語った。

2020年東京五輪。その舞台で期待されているのは、アジア大会同様、「池江無双」の再現だろう。果たして池江は日本国民の希望を叶えられるのだろうか、今後の活躍から目が離せない。

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