【体操】男子日本はメダル4個…新エース・橋本大輝が個人2冠を達成

文: マンティー・チダ

体操男子は団体総合で銀メダル、橋本大輝が個人総合と種目別の鉄棒で金メダル、萱和磨が種目別のあん馬で銅メダルを獲得した。内村航平以外は全員がオリンピック初出場となったが、体操男子のメダルラッシュは、内村の功績があったからこそ実現できていたようだ。

■新エース橋本大輝が金メダル2個、エースの風格も備わる

個人枠で4大会連続出場の内村が予選の鉄棒で落下、チーム内に動揺が広がった。しかし、団体総合決勝でそれを払拭したのが、新エースを襲名した橋本であった。

日本は団体総合決勝で、金メダルのROC(ロシアオリンピック委員会)からわずか0.1点届かず銀メダルとなり、2連覇とはならなかったが、橋本は予選をトップ通過し、団体総合決勝では平行棒以外の種目に出場して、ミスのない演技でチームを引っ張った。最後の鉄棒で、橋本は日本の銀メダルを確定させる高得点をマークしている。

個人総合決勝では、前半のゆかとあん馬で好スタートを切った。つり輪では技術点で、跳馬では着地が乱れて減点とされるが、平行棒で15.300と持ち直し、鉄棒では会心の演技で2位以下の選手を振り切って、初の個人総合金メダルを獲得。ロンドン五輪とリオデジャネイロ五輪を制した内村に続き、日本勢で個人総合3連覇を達成した。

種目別の鉄棒では一発勝負にもかかわらず、橋本はただ1人、15点台をマークして、個人総合に続く2冠を達成。演技をするたびに、橋本からエースの貫録を感じるようになった。東京五輪で金メダル2個、銀メダル1個を獲得した橋本は、これからの日本男子体操界を引っ張っていく存在となる。

■北園丈琉、右ひじが万全でない中、個人総合で決勝進出

北園丈琉は日本人選手初のユース五輪5冠を達成し、東京五輪へ向けて大いに期待をされていたが、今年4月の全日本個人総合選手権決勝の鉄棒演技で右ひじを痛めて戦線離脱。東京五輪出場が赤信号となったが、懸命なリハビリの末に、6月の全日本体操種目別選手権に出場、土壇場で東京五輪の代表内定を勝ち取っていた。

右ひじの状態は東京五輪を迎えても万全ではなかった。ひじに影響のある種目と言われる、つり輪では難度を落として臨んだ。残りの5種目がまずまずの結果だったこと、萱と谷川航の点数がそれほど伸びなかったため、橋本に続き北園が個人総合決勝に進出した。

最終結果は、3位のシャオ・ルオテン(中国)から1.784点差の7位。ひじが万全であれば、メダル獲得圏内だっただろう。種目別の鉄棒ではケガを恐れることなく、難度の高い技にチャレンジしたが、落下もあって点数を伸ばすことができなかった。

落下後に伸身のトカチェフへ挑戦したことは、大きな経験となっただろう。北園は種目別の鉄棒決勝後に悔し涙を流していたが、橋本と一緒にこれからの日本男子体操界をリードする存在になるのは間違いないだろう。

■萱和磨はあん馬で銅メダル、亀山耕平は5位入賞

前回のリオデジャネイロ五輪では補欠だった萱。「ミスをしない男」は、オリンピック本番の団体総合でも種目によってはトップバッターを任されて日本チームに良い流れをもたらし、銀メダル獲得に貢献した。

得意のあん馬では種目別決勝でアテネ五輪の鹿島丈博以来、4大会ぶりの銅メダルを獲得。難度を上げた構成で挑み、ミスなく演技を終えた萱は予選7位から見事なジャンプアップを果たした。また、個人枠であん馬に出場した亀山耕平は、ベテランらしく安定感のある演技で5位に入賞した。

跳馬では種目別で金メダルの呼び声もあった谷川。最高難度の大技「リ・セグァン2」を引っ提げて挑んだ予選だったが失敗に終わり、決勝に進むことはできなかった。団体総合決勝では大技を成功させて15点台を記録しただけに、予選の失敗が悔やまれた。