【テニス】錦織圭が東京で4度目のオリンピックに挑む。集大成となるようなテニスを見せられるか!?

文: 神 仁司 Hitoshi Ko
写真: 2021 Getty Images

錦織圭(ATPランキング69位)が、Tokyo2020(東京五輪)に挑む。

長年日本テニス界を牽引してきた錦織は、テニスの4大メジャーであるグランドスラムやATP(男子プロテニス協会)ツアーで、日本男子前人未到の成績を数々残してきた。

これまでオリンピックには、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロに参加し、そして東京で4回目の参加となる。

特にリオデジャネイロで、錦織は男子シングルスで自身初の銅メダルを獲得。1920年アントワープオリンピックで男子シングルスの熊谷一弥が銀メダルを、男子ダブルスの熊谷一弥/柏尾誠一郎組が銀メダルを獲得して以来、日本テニス界に96年ぶりのメダルをもたらしたのだった。

2016年リオデジャネイロオリンピック後に、錦織は次のように振り返っている。

「やっぱり一番は、あそこ(オリンピック)でしか味わえないプレッシャーだったり、重圧だったり、いろいろな思いがあって、各選手戦っているので、その中でどのぐらい自分のプレーができるか。前回のロンドンだったり、北京だったり、プレーしてどのぐらいできるか、1つの物差しというか、自分がどのぐらいレベルアップしたか、自分の中で確認できる場でもありました。それが着々と、結果も前回よりも良かったですし、すごくレベルアップしているなと実感が得られました。そういった意味で、すごく自信がつきました。特に、最後のナダルとの試合は、5-2からまくられて、苦しい場面もあったし、そういった中で、プレッシャーと戦いながら、試合をすることができました。勝っていても負けていても、いい経験はできたと思います。苦しい場面をいろいろ経験することによって、より気持ちも強くなるだろうし、本当にメダルが取れたからではないですけど、すごく充実したオリンピックでした」

錦織は3位決定戦で、ラファエル・ナダル(スペイン)とのフルセットにおよぶ激戦を6-2、6-7(1)、6-3で制し、自身初のオリンピック銅メダルを獲得した。オリンピックのメダルセレモニーでは、いつものツアー大会での表彰式とは違った感慨が、錦織の心中にわき起こった。

「いつもの表彰式というか、セレモニーとは違った空気感はありました。表彰台に上がって、国旗が出てくるという、すごく胸に熱いものが来る場面もあったので。いつもの表彰式とはまた違った気持ちになりました。そういった中で、隣に僕より成績のいい2人がいて、嬉しい気持ちとやっぱり悔しい気持ちが両方混ざってきました。そういった意味では、すごく面白い表彰式でしたね」

男子シングルスで金メダルを獲得したのはアンディ・マリー(イギリス)。銀メダルはファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)だった。

リオデジャネイロオリンピックでの思い出に関して、錦織は、あれこれ思いを巡らした。

「それを考えていたんですけど、たくさんあり過ぎて。誰かも言っていましたけど、オリンピックが終わるのが何か寂しい気持ちもあったりして、2週間、他の競技を見るのが楽しみでした。やっぱり最初に自分をやる気にしてくれたのが、水泳の金メダルやラグビーの力強い試合。それを見て、自分も何かこうやる気をもらったので。もちろん言い始めたらキリがないですけど、本当にたくさんいろいろな競技を携帯で毎日見ていたので、すごく楽しかったですね。ナマでひとつも見れなかったのは、一番悔やむところですけど……。

卓球の水谷準くんはかっこよかったですね。もちろん団体も見ていましたし、特に、個人の3位決定戦もすごく見ごたえのある試合でした。最後、中国にあれだけ攻め入って、彼自身1勝をして、すごくかっこいいなと感じました。僕も同じで、ジョコ(ノバク・ジョコビッチス/セルビア)がいて、マリーがいて、上の選手にあれだけ強い気持ちで切りかかっていくというのは、簡単なことではないです。特に、卓球の歴史はわからないですけど、中国という一番強い国に対して、あの大きな場面で、中国に勝ったりできる才能の持っている選手だと思うので、これからも頑張ってほしいですね」

ウィンブルドン終了後、錦織はATPランキングを53位から67位、69位へ落としている。

オリンピックには、普段のプロツアーやグランドスラムでは存在するランキングポイントや賞金がない。特に、最近ランキングを落としているだけに、錦織からすれば、1試合でも多く勝ってランキングポイントを稼ぎたいという気持ちが全くないと言ったら嘘になるだろう。

だが、今回は錦織の母国日本で開催される特別なオリンピックであり、最初で最後の貴重な経験となる。残念なのは無観客での開催となってしまうところだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続いているだけにやむを得ないところだ。果たして、31歳の錦織が、東京で集大成となるようなテニスを見せることができるのか見届けたい。

ちなみに、錦織は男子シングルスの他に、ダブルススペシャリストのマクラクラン勉(ATPダブルスランキング38位)と組んで男子ダブルスにも出場を予定しており、こちらも注目したい。

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