オリンピックの女子バスケットボールはアメリカの独擅場。「バスケ王国」が優勝を逃したのはたった3度だけ

かつてのモントリオール五輪では日本人選手が大会得点王になったことも

オリンピックの女子バスケットボールはこれまで11回行われてきた。そのうち8回でアメリカが優勝を果たしており、男子同様に「バスケ王国」が確固たる牙城を築いている。女子日本代表は「史上最強」と称された2016年からさらなる上積みを図り、2020年の東京五輪で輝けるか。ベテランと新戦力の融合がカギとなる。

アメリカ女子代表はFIBA W杯も3連覇中。現在中心を担うブレアナ・スチュワート(右から2人目)は193センチの長身を生かしたプレーを得意とする

女子バスケは1976年のモントリオール五輪から採用

戦いの場は縦28メートル×横15メートル。5人ずつの2チームが手を使って、相手コートのリングにボールを入れれば得点となる。合計40分間の4ピリオド制で行われるバスケットボールは、1891年にアメリカで誕生した。

オリンピックで女子バスケットボールが正式種目となったのは1976年のモントリオール五輪だ。1936年のベルリン五輪から正式競技になった男子バスケに40年遅れての採用だった。

記念すべき第1回となったモントリオール五輪の女子バスケットボールは、6チームの総当たり戦のみで行われている。優勝を果たしたのは意外にも5戦全勝の旧ソビエト連邦。バスケ発祥の地であるアメリカは3勝2敗で2位に終わっている。

モントリオール五輪には女子日本代表も出場している。尾崎正敏監督が指揮を執るチームは前年の1975年に行われた女子バスケットボール世界選手権で準優勝を果たしており、大きな期待を寄せられていた。オリンピックでは2勝3分で5位に沈んだが、初戦のアメリカ戦では84-71で大金星をあげてみせた。エースの生井けい子は世界選手権に続き大会得点王に輝き、日本女子バスケットボール界の歴史に名を刻んでいる。

2004年のアテネ五輪に出場した女子日本代表メンバー。3度目のオリンピック挑戦は10位に終わった

女子アメリカはオリンピック6連覇中

モントリオール五輪を制した旧ソ連は1980年のモスクワ五輪でも金メダルを獲得したが、以降はバスケ王国アメリカの独擅場が続く。1984年の五輪以降から2016年のリオデジャネイロ五輪までの9大会でアメリカが優勝を逃したのは1度だけ。1992年のバルセロナ五輪は銅メダルに終わった。

アメリカの女子が圧倒的な強さを誇るのは、男子選手にNBAがあるようにWNBAというプロバスケットボールリーグが存在するからだ。1996年の創立以来、アメリカだけでなく世界トップクラスの選手たちが集まるリーグがレベルの底上げを促してきたのは言うまでもない。

WNBA創立直後に、アメリカは自国でアトランタ五輪を開催しているが、この時の優勝もバスケットボールの人気と競技人口の増加を後押しした。グループリーグは5戦全勝。攻撃的なチームで、準々決勝では日本を108−93、準決勝ではオーストラリアを93−71、決勝ではブラジルを111−87で下し、見事金メダルを獲得した。中心選手には、1984年のロサンゼルス五輪からオリンピックには5大会連続で出場したテレサ・エドワーズや、2000年のアテネ五輪では選手団の旗手も務めたドーン・ステーリーなどがいた。

アメリカはリオデジャネイロ五輪でも圧巻の強さを見せている。準決勝ではフランスを86−67、決勝ではスペインを101−72で下し、下馬評どおり金メダルを獲得した。同大会で中心を担ったブレアナ・スチュワートやマヤ・ムーア、ブリトニー・グリナーやエレーナ・デレ・ダンらは、2020年の東京五輪制覇を狙うチームでも中軸としての働きが期待されている。

WNBAでのプレー歴を持つ渡嘉敷来夢。その経験値と実力は東京五輪を狙うチームにとって不可欠と言っていい

Wリーグへの発展で、女子日本代表も充実化

アメリカがリオデジャネイロ五輪でオリンピック6連覇、計8度目の優勝を果たす一方で、日本は苦しい時代が続いた。大会得点王を輩出した1976年のモントリオール五輪以降、なかなか世界まで手が届かない。日本女子が2度目のオリンピック出場を手繰り寄せるまでに20年もの時を要した。

1996年のアトランタ五輪では7位。2004年のアテネ五輪では10位。5度目の出場となった2016年のリオデジャネイロ五輪のチームは大会前、「史上最強」とも称された。1998年にバスケットボール女子日本リーグ機構が設立され、翌1999年に日本リーグをWリーグに発展させ、強化体制が整備された影響は小さくない。

「史上最強」との呼び声が高かった女子日本代表は、リオデジャネイロ五輪でアメリカに64−110という大差で敗れベスト8の壁を乗り越えられなかった。それでも、ベラルーシ、ブラジル、フランスという世界ランク上位の3カ国を下してグループリーグを突破した自信と実績は言うまでもなく2020年につながるものだ。

東京五輪に向けては、リオデジャネイロ五輪の舞台にも立った長岡萌映子(もえこ)や宮澤夕貴、高田真希や町田瑠唯(るい)らが中心メンバーとなると予想される。経験豊富な選手たちに新戦力を組み合わせたチームは、2018年にスペインで行われたFIBAワールドカップ(W杯)で決勝トーナメントに進出。中国に81−87で惜敗したものの、本橋菜子や馬瓜エブリン、オコエ桃仁花(もにか、兄はプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉)といった若手がフィットした収穫はあった。

2016年の「史上最強」への上積みが期待される現・日本代表チームが2020年での上位進出を狙うならば、負傷のためW杯には招集されなかったものの、193センチの長身を誇り、リオデジャネイロ五輪でも活躍した渡嘉敷来夢(らむ)も必要不可欠な存在と言える。

女子日本代表が開催国枠で2020年東京五輪に出場できるかどうかは、2019年3月の国際バスケットボール連盟の中央理事会で決定する予定。東京五輪の女子バスケットボールは2020年7月27日(月)に開幕し、8月9日(日)に決勝戦が行われる。男子と同じくさいたまスーパーアリーナが決戦の舞台となる。

オコエ桃仁花は1999年2月7日生まれ。ナイジェリア人の父とプロ野球選手の兄を持つ

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