フェンシング

女子フルーレの国内ランク1位につける宮脇花綸（かりん）は、勉強熱心でフランス人コーチの通訳もこなす日本のエースだ。一方、マスクを外せば、そこにはお菓子づくりやドラム演奏を趣味とする二十代の素顔がある。最大の武器である「頭脳」を生かし、東京五輪での金メダル獲得に向かって日々、邁進している。
団体初優勝の陰で発揮したリーダーシップ
2018年夏、日本女子フェンシング界に新たな歴史が刻まれた。インドネシアのジャカルタで開催されたアジア競技大会の女子フルーレ団体種目において、日本代表が初めて金メダルを獲得したのだ。
フェンシングのなかでも「フルーレ」は、北京五輪で太田雄貴が銀メダル、ロンドン五輪で男子団体で銀メダルと成果を挙げていることも手伝い、日本で最もポピュラーな種目となっている。しかし、一方の女子は菅原智恵子が北京五輪とロンドン五輪で7位に入賞したのが最高成績で、表彰台までなかなか手が届かずにいる。それが2018年のアジア競技大会での金メダル、それも近年フェンシングの強化に力を入れている韓国や中国を破ったことによって、2020年東京五輪での表彰台入りが一気に現実味を帯びてきた。
十代の選手も名を連ねた若い代表チームを、当時21歳ながら最年長としてけん引したのが宮脇花綸（かりん）だった。
女子フルーレ代表は2017年1月からフランス人のフランク・ボアダン氏がヘッドコーチとして指導を行う。それまで日本人選手に欠けていた闘争心を植えつけるべく、強度の高いトレーニングを組むボアダン氏のもとで、宮脇は自身も厳しい練習を積みながら、他の選手とコーチとの間で通訳の役割を担うなど円滑なコミュニケーションを図り、日本女子フェンシング界の快挙達成に貢献した。

Karin MIYAWAKI

東京2020 | オリンピック競技大会

中学部から慶應義塾女子高校を経て、慶應義塾大学経済学部に進学。「才色兼備」のアスリートとして注目を集める／時事

フェンシング：趣味はお菓子づくり。女子フルーレの「頭脳派エース」宮脇花綸はギャップが魅力

「Fencing（フェンシング）」の「Fence」は、英語で「塀」や「囲い」を意味する言葉だ。中世ヨーロッパで「身を守る」「名誉を守る」ことを目的とする剣技として発展した。18世紀末ごろに金網のマスクが開発されると、スポーツとして楽しまれるようになった。剣と防具で行われるシンプルなフェンシングのなかでも、基本種目と言われる「フルーレ」にフォーカスを当てる。
「フルーレ」にはフェンシングの基本が凝縮されている
オリンピックにおけるフェンシングの歴史は長い。1896年に行われた近代オリンピック第1回目のアテネ五輪ではすでに男子種目が正式採用されている。競技としてのフェンシングには「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目が存在。剣の形や優先権の有無、得点となる有効面などが異なる。
フェンシングの基本が凝縮されていると言われているのが「フルーレ」だ。フルーレの剣は重量500グラム以下と軽い。長さは全長110センチ以下。細くて、よくしなる剣をいかに使いこなすかが勝敗を分ける。フルーレで有効となるのは剣を射抜くように差し込む「突き」のみ。ただし、フルーレの有効面は背中を含む胴体となっているため、剣先の弾力性を生かした背中への攻撃も腕の見せどころと言える。両腕は有効面ではない。
サーブルと同様、フルーレには「優先権」が存在する。先に腕を伸ばし剣先を相手に向けた選手に優先権が発生し、攻撃を仕掛けられる。相手が自分の剣でその剣先を逸らせたり、間合いを読んで逃げ切ったりすると、優先権は消滅。すると、逆に剣先を向けられていた相手に優先権が移り、攻守の場面が切り替わる。攻撃→防御→反撃→再反撃といったスピード感あふれる技の応酬がフルーレの大きな見どころとなっている。

中世ヨーロッパで発展したフェンシングは、第1回大会からオリンピックの競技に採用されている

「フルーレ」は、細く、よくしなる剣をいかに使いこなすかが勝敗を分ける。日本勢では太田雄貴氏が北京五輪で銀メダリストに

アメリカ合衆国

シモーネ

Simone Biles - Olympics.com

スウェーデン

Armand

Armand Duplantis - Olympics.com

ミカエラ

Mikaela SHIFFRIN

Ilia

Ilia Malinin - Olympics.com

Karin

イタリア・ミラノで行われているフェンシング世界選手権2023が7月29日に8日目を迎え、前日に続いて女子フルーレ団体が実施され、日本代表チームが3位決定戦でアメリカ合衆国代表を倒して3位に輝いた。世界選手権の女子フルーレ団体で日本代表がメダルを獲得するのは2007年大会以来16年ぶり。
今大会では成績に応じてランキングポイントが与えられ、2024年4月1日までのポイントをもとにしたランキングによってパリ2024オリンピックの出場チームが決まる。
- フェンシング世界選手権2023、結果一覧
- 【パリ2024への道】フェンシング、出場資格取得プロセスを解説

フェンシング | オリンピック予選 | 世界選手権 | ミラノ

Foil W Japan

女子フルーレ、日本代表が3位！ フェンシング世界選手権2023

イタリア北部の都市ミラノで開催されているフェンシング世界選手権2023。パリ2024オリンピック出場をかけてランキングポイントを重ねる世界各地のアスリートが集結し、7月22日〜30日の日程で世界の頂点を目指して熱戦を繰り広げる。
日本からは東京2020オリンピックで金メダルを獲得し、「エペジーン」のフレーズで日本を盛り上げた男子エペ団体チームや、世界ランキング1位の江村美咲（女子サーブル）、加納虹輝（男子エペ）、同3位の東晟良（あずま・せら／女子フルーレ）など、30選手がイタリア・ミラノへ向かった。
ここではフェンシング世界選手権2023で実施される全種目の結果と、ライブ配信情報を紹介する。
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CHIBA, JAPAN - JULY 30: Koki Kano of Team Japan, left, competes against Curtis McDowald of Team United States in Men's Ã‰pÃ©e Team Table of 16 on day seven of the Tokyo 2020 Olympic Games at Makuhari Messe Hall on July 30, 2021 in Chiba, Japan. (Photo by Elsa/Getty Images)

fencing

フェンシング世界選手権2023、結果一覧・ライブ配信

フェンシングの世界一を決める年に一度の世界選手権が7月22日〜30日の日程で開催される。戦いの舞台となるのは、フェンシング強豪国のひとつとして知られるイタリア北部の都市ミラノ。
およそ1年後に迫るパリ2024オリンピック出場をかけてランキングポイントを重ねる世界各地のアスリートが集結し、世界の頂点を目指して熱戦を繰り広げる。
日本からは東京2020オリンピックで金メダルを獲得し、「エペジーン」のフレーズで日本を盛り上げた男子エペ団体チームや、昨年7月にエジプト・カイロで行われた世界選手権で優勝し、2015年の太田雄貴氏（男子フルーレ個人）に続く2人目の金メダル獲得という快挙を成し遂げた江村美咲など、30選手がミラノに降り立つ。
パリ2024オリンピックに出場できるのは団体各種目でそれぞれ8チーム（別途、個人種目のみの枠もあり）。その狭き門をくぐり抜けて、フェンシング発祥の地フランスで行われる4年1度のオリンピックの舞台に立つべく、選手たちはこの世界選手権で上位を狙う。
大会の見どころや日本代表選手、日程をまとめた。
- 【パリ2024への道】フェンシング、出場資格取得プロセスを解説
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Fencing Japan

フェンシング世界選手権2023ミラノ、日本代表選手・日程・見どころ

中華人民共和国の無錫（むしゃく／ウーシー）で行われたフェンシング・アジア選手権2023の最終日を迎えた6月22日、男子フルーレ団体と女子サーブル団体が実施され、男子フルーレ日本代表チームが優勝。2019年、2022年に続く大会3連覇となった。一方、女子サーブル日本代表チームは銅メダルに輝いた。
男子フルーレ日本代表チームは、初戦でクウェート代表を相手に45-18で圧勝すると、準決勝では今大会の男子フルーレ個人で金メダルを獲得したモ・ジウェイ率いる中華人民共和国代表チームと対戦。この戦いを45-41で制し、決勝は昨年大会と同様、大韓民国代表チームとの戦いに。
大韓民国チームは今大会の男子フルーレ個人でハ・テギュが銀メダル、ホ・ジュンが銅メダルを獲得。一方の日本勢はフルーレ個人でメダルなしに終わっていた。飯村一輝、松山恭助、敷根崇裕（しきね・たかひろ）、鈴村健太の4選手で挑んだ団体決勝では、45-38で大韓民国代表チームをおさえ、3連覇を達成した。
江村美咲率いる女子サーブル団体は、中華人民共和国を相手に準決勝を戦ったが、接戦の末に41-45で敗北。3位決定戦ではホンコン・チャイナを45-43で下して銅メダルを勝ち取った。女子サーブル日本代表チームのメダル獲得は、2019年の銅メダル、2022年の銀メダルに続き3大会連続。

Fencing Men Foil Team Japan Asian Championships

日本代表、男子フルーレ団体3連覇！ フェンシング・アジア選手権2023

上海から北東へと車を2時間ほど走らせてたどり着く無錫（むしゃく／ウーシー）。この都市でフェンシング・アジア選手権2023が実施される。
大会は6月17日〜22日の6日間にわたり、1日目の女子エペ個人、男子サーブル個人からスタートし、22日の女子サーブル団体、男子フルーレ団体で幕を閉じる。
フェンシング競技では、パリ2024オリンピック出場がかかるランキング・ポイント獲得期間が4月3日に始まった。2024年4月1日までの期間のワールドカップ、世界選手権、大陸選手権などを通じて獲得したポイントをもとにしたランキングに応じて、パリ2024出場権が割り当てられる。
2022年に大韓民国のソウルで行われた前回大会では、日本勢は男子エペ個人の加納虹輝（こうき）が優勝し、男子フルーレ団体と女子フルーレ団体が大会2連覇を達成した。1ヶ月後の7月月22日～30日のイタリア・ミラノでの世界選手権を控える今、どんな戦いとなるのか。
日本からは、東京2020男エペ団体金メダルメンバーの加納、見延和靖、山田優のほか、女子サーブル世界ランキング1位の江村美咲、直近のワールドカップ・トリビシ大会の女子フルーレ団体で銅メダル獲得した東晟良・上野優佳・菊池小巻・宮脇花綸など、男女あわせて30選手が無錫へと向かった。ここでは各種目の結果を一覧で紹介する。
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Fencing Asia Championship Team Japan

フェンシング・アジア選手権2023結果一覧、江村美咲、加納虹輝ら出場

女子フルーレのFIE（国際フェンシング連盟）ワールドカップ・ドイツ大会（同国タウバービショフスハイム）は、現地時間4月29日から30日まで個人戦を実施。世界ランキング121位の宮脇花綸が銅メダルを獲得した。宮脇を含め日本勢は5選手が決勝T64進出し、東晟良は12位、菊池小巻は26位、狩野愛巳は37位、飯村彩乃は58位。5月1日には同地で女子フルーレ団体戦が行われる。
宮脇が個人で国際大会のメダルを獲得するのは、2018年5月のグランプリ中国大会（銀メダル）以来。日本女子フルーレのシニア国際大会メダル獲得は2019年3月エジプト大会の辻すみれの銅メダル以来となる。
宮脇花綸
> 4年ぶりに個人表彰台に戻ることができました。五輪前後は納得のいく試合ができなかったので、接戦を勝ち切り目の前のチャンスをつかんだ今日は心から自分を褒めてあげたいと思います。これを自信に、更に上を目指していきます！

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【フェンシング】女子フルーレW杯ドイツ大会：宮脇花綸が銅メダル獲得

日本フェンシング協会（FJE）は5月12日20時より、FJE公式YouTube（ユーチューブ）チャンネルにて「人狼ゲーム」のライブ配信を行う。「人狼」は複数人で行うパーティーゲームで、今回は全6種目のトップフェンサーが参加。女子フルーレの宮脇花綸がゲームマスターを務める。

国内トップフェンサーが人気の心理ゲームに挑戦する

【フェンシング】宮脇花綸がゲームマスター：5月12日「人狼」ライブ配信

2024年8月1日、フェンシング女子フルーレ団体決勝がグラン・パレ - ポディウムピストで開催。アメリカが金メダル、イタリアが銀メダル、日本が銅メダルを獲得した。

Karin MIYAWAKI

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