アレクサンダー・ズベレフ

アレクサンダー・ズベレフは、すでにドイツのテニス史にその名を刻んでいる。彼は2021年、東京2020オリンピックで金メダルを獲得し、オリンピック界の頂点に立った。

彼の勝利は、ドイツ人がテニス男子シングルスで金メダルを獲得した初めての例だった。準決勝では、世界ランキング1位で優勝候補のノバク・ジョコビッチを破り、決勝ではカレン・ハチャノフに勝利した。

歴史的勝利後、彼は「ワールドツアーファイナルで優勝したこともあるけど、オリンピックでの金メダルは、自分のためだけでなく、国のためにプレーしているようなものだからね。信じられない気持ちだよ」とコメントした。

1997年、ロシア人の両親のもとにハンブルグで生まれたズベレフは、幼い頃からテニスに親しんだ。両親ともに、旧ソビエト連邦で高いレベルでプレーしていた。ズべレフ一家はソビエト連邦崩壊後にドイツに移り住み、両親は幼い息子にテニスのノウハウを伝授した。母親の指導の下、3歳からトレーニングを始めた。

ズベレフの才能はジュニア時代から明らかだった。2014年には全豪オープンのボーイズシングルスで優勝し、ジュニア・ランキングのトップに立った。彼の躍進はシニアでも続き、マスターズで2度優勝し、2017年には世界ランキングでトップ3に躍り出た。

198cmで才能に溢れるズべレフは、2018年にはATPツアーファイナルで優勝し、2022年にはキャリア最高のランキング2位に到達。しかし、2022年の全仏オープン準決勝のラファエル・ナダル戦で足首を痛め、手術を余儀なくされ、残りのシーズンを棒に振った。

2023年1月に復帰したズベレフは、地元ハンブルクで20個目のタイトルを獲得し、カムバックを果たした。